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ヒメオドリコソウ/ひめおどりこそう
姫踊子草
Purple dead nettle
【ヒメオドリコソウとは】
・ヨーロッパ、西アジア及び北アフリカを原産とするシソ科オドリコソウ属の二年草。いわゆる帰化植物の一つであり、明治時代の中期に日本へ渡来したものが関東地方を中心として全国へ広まっている。
・初めて日本で認知されたのは明治26年で場所は東京。発見者は植物学者の松村任三氏で、在来のオドリコソウに似た小さな花が咲くためヒメオドリコソウと名付けられた。
・ヒメオドリコソウは日当たりの良い草地や田畑に群生するが、やや薄暗い林や竹藪の縁、そして都会の道端にも見られる。
・開花は3~5月でオドリコソウと同じような唇形の花が、茎の上部にある葉の間から輪状に並んで顔を出す。花の長さは1センチほどで上唇の裏側には毛があり、内部には4個の雄しべと先端が二つに裂けた花柱が見られる。花の下部にある萼は五つに裂け、その先端は尖る。
・ヒメオドリコソウは同じ時季に咲くホトケノザと混同されがちだが、ホトケノザのように花が頭頂部よりも上に飛び出すことはなく、成葉の形は全く異なる。
・葉は直径2~3センチ。三角形に近い卵形で縁には緩やかなギザギザがある。茎の上へいくほど葉は小さくなり、柄も短くなるため先端付近では重なり合った葉が茎を覆い隠すように見える。また、花が咲く時季には上方の葉ほど濃いエンジ色になり、辺り一面を紅く染める。
・幼い葉はオオイヌノフグリやホトケノザに似るが、表面の葉脈がチリメン模様になるため見分けやすい。葉の裏面は軟毛が密生し、腺点と呼ばれる白い点々が生じ、葉には特有の臭気がある。
・オドリコソウは多年草だがヒメオドリコソウは二年草であり、秋に発芽したものが冬前まで伸長して地面を覆うようになり、霜の害を受けながらも越冬する。茎の断面は四角形で表面には下向きの白い毛が生じる。
【ヒメオドリコソウに似ている草花】
ヒメオドリコソウの基本データ
【分 類】シソ科/オドリコソウ属
二年草
【漢 字】姫踊子草(ひめおどりこそう)
【別 名】三階草
【学 名】Lamium purpureum
【英 名】Purple dead nettle
Red deadnettle
【開花期】3~5月
【花の色】赤紫色
【草 丈】~25㎝