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ヘクソカズラ/へくそかずら/屁糞葛
Skunkvine
【ヘクソカズラとは】
・日本全土に分布するアカネ科のつる性多年草。山野や道端の草むらに普通に見られるが、日照を好み、他の植物に絡みつきながら繁茂する。日本に限らずアジア東部に広く分布する。
・ヘクソカズラという下品な名は、花や実を揉んだり、葉を傷つけたりするとカメムシのような不快な匂いが生じることに由来する。万葉の頃には糞葛だったが、時代と共にその悪臭が強調され、屁糞葛になったという。
・花の美しさにちなんだ「サオトメカズラ(五月女葛)」や、花の色形に由来する「ヤイトバナ」という別名もある。ヤイトは灸であり、摘んだ花を手に乗せた様子がお灸のように見えることに由来する。
。葉は細長いハート形で蔓から対になって生じる。葉はホシホウジャクというスズメガ(蛾)の食草であり、ヘクソカズラが繁茂する場所であれば、かなりの確率でホシホウジャクの幼虫が見付かる。
・つるの基部は木質で、左巻きに伸びる。つるや葉の裏面には毛がまばらにある。つるは葉が落ちて枯れた後も長い間、朽ちずに残り、昔はこれを紐代わりとして薪などを縛るのに用いた。
・開花は8~9月で、釣鐘状の花は葉の付け根にまとまって生じる。花の直径は1センチほど。先端は五つに裂け、内側は紅紫色の模様が入る。小さな蜂が花に出入りする姿が頻繁に観察される。
・秋には直径5ミリ程度の果実が黄褐色に熟す。実にも悪臭があるがその果汁は、しもやけ、あかぎれ、ひびわれに効能があるとされ、ハンドクリームに混ぜるなどして使われる。なお、ヘクソカズラの蔓にも同様の効能がある。
【ヘクソカズラに似ている草花】
・ハマサオトメカズラ
海岸地帯に見られるヘクソカズラの仲間で、葉が厚くて光沢があり、毛がない。
ヘクソカズラの基本データ
【分 類】アカネ科/ヘクソカズラ属
つる性多年草
【漢 字】屁糞葛(へくそかずら)
【別 名】サオトメカズラ(五月女葛)
ヤイトバナ(灸花)
【学 名】Paederia scandens
【英 名】Skunkvine/Stinkvine
Chinese fever plant
【開花期】8~9月
【花の色】白(内側は紅紫)
【草 丈】~10m