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ヒマワリ/ひまわり/向日葵
Sunflower
【ヒマワリとは】
・北アメリカ中西部を原産とするキク科の一年草。世界的には食用の植物と見做されるが、日本では夏に咲く大きな花を観賞することを目的として、花壇、鉢植え、切花などに使われる。
・ヒマワリは漢字名、学名、そして英名も太陽にまつわるが、これは花の形が太陽に似ること、若い蕾が太陽の方を向いて回転することによる。ヒマワリの一種が自生する中南米では、太陽神のシンボルとして尊重される。
・3、000年前のインディアンはヒマワリの種子を主要な食物とし、インカ帝国でも古くから栽培され、「ペルーの黄金花」と呼ばれていた。今日のように多くの国に広がったのは、16世紀初頭にインカ帝国を滅ぼしたスペイン人がヨーロッパへ持ち帰ったことがきっかけ。また、ヒマワリが日本へ渡来したのは中国経由で、江戸時代の寛文年間(1661~72)のこと。
・日本でのヒマワリの開花は7~9月。茎の先端に直径7~30センチの花が咲く。花は周囲を黄色く彩る舌状花と、中央部の黒紫がかった管状花からなる。舌状花は蕊がなく花弁のみ、管状花には雌しべと雄しべがあり、外側から順に咲いていく。
・漢字の「向日葵」に含まれる「癸」は、太陽で方角を知るための器具「みずのと」を意味し、俗にヒマワリの花は太陽の進行に従って回るというが、実際のところ、花が開ききってからは朝日の方を向いたままで、ほぼ動かない。
・管状花の後は結実しやすく、お馴染みの種子ができる。大粒の種子から採取する油には上質なたんぱく質やビタミンB、脂肪などが含まれており、乾燥させたものを炒って食用にし、絞って食用油とする。ヒマワリはペルーとロシアの国花であり、ロシアでは大々的に栽培して食用油を作る。
・葉は長さ15~30センチのハート形で先端が鋭く尖り、縁には粗いギザギザがある。茎は短い剛毛に覆われ、直立して高さ2~3mになり、上の方で分岐する。茎は製紙、燃料に、また葉とともに飼料となる。
【ヒマワリの品種】
北アメリカから南アメリカにかけて50を超える品種が自生するが、園芸用には草丈が低く、花が小さいヒメヒマワリの人気が高い。
ヒマワリの基本データ
【分 類】キク科/ヒマワリ属
一年草(原産地では多年草も)
【漢 字】向日葵(ひまわり)
日回り/日向葵
【別 名】日輪草(にちりんそう)
日車(ひぐるま)
天蓋花(てんがいばな)
【学 名】Helianthus annuus
【英 名】Sunflower
【開花期】7~9月
【花の色】黄色
【草 丈】~200㎝