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ボタンボウフウ/ぼたんぼうふう/牡丹防風
Botan-bouhuu(Peucedanum japonicum)
【ボタンボウフウとは】
・関東以西の本州から沖縄にかけて分布するセリ科カワラボウフウ属の多年草。海岸近くの岩場や砂地に見られ、沖縄や九州地方に特に多い。中国や朝鮮半島、フィリピンにも自生が見られる。
・株全体にビタミンC、ポリフェノール及びミネラルを豊富に含み、滋養強壮や美容を目的として栽培、加工、販売され、時に「長命草(チョウメイソウ 沖縄ではチョーミーグサ)」と名乗って青汁など健康食品の材料となる。別名はイワゼリ、サクナ、食用ボウフウなど。
・葉は肉厚で青味を帯び、長さ3~6センチの卵形になる。2~3枚が組になって生じ、それぞれの葉先には浅い切れ込みがあり、先端は緩やかに尖る。葉の形がボタンに、香りが同じセリ科のボウフウ似ることからボタンボウフウと命名された。
・食用にするのは若葉で、生のままで刺身のツマに、茹でて水に浸したものを天婦羅、酢味噌和え、御浸しなどにするが、それなりのクセがあるため、最近では粉末の製品にして様々な食品や飲料に混ぜて摂取する方法が広がっている。
・ボタンボウフウの開花は7~9月で、白い小さな花が集まって傘状になる。5枚ある花弁は内側に反り返り、5本ある雄しべは花弁の外に突き出すのが特徴。花の後には楕円形の果実ができ、熟すと二つに分かれ、翼によって拡散するが、一度開花して実がなった株は枯死する。
・茎は直立し、はっきりと二股に分かれながら育つ。草丈は0.5~1mほどで上部には細かな毛が生じ、太い茎は木質化する。自生地は海沿いであり、海水を散布するとよく育つ。
・ボタンボウフウは太い根を持つが、江戸時代はこれを生薬の人参代わりにし、今でも神経痛や喘息の薬とする民間療法がある。ちなみにボウフウは漢字で「防風」だが、気象の風ではなく「風邪」を防ぐという意味。
【ボタンボウフウに似ている草花】
・アシタバ
・ノダケ
ボタンボウフウの基本データ
【分 類】セリ科/カワラボウフウ属
多年草
【漢 字】牡丹防風(ぼたんぼうふう)
【別 名】長命草(チョウメイソウ)
イワゼリ/サクナ
【学 名】Peucedanum japonicum
【英 名】Botan-bouhuu
(Peucedanum japonicum)
【開花期】7~9月
【花の色】白
【草 丈】~100cm