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ヒョウタン/ひょうたん/瓢箪
Gourd
【ヒョウタンとは】
・熱帯アジアまたはアフリカを原産とするウリ科の一年生草本。くびれのある独特な果実が携帯用の容器となり、紀元前から中国などで育てられる。世界最古の栽培植物であり、日本にも9500年前に伝わったとされる。
・その昔は果実をくり貫いて柄杓(ひしゃく)を作ることもあり、ヒョウタンではなく、柄杓を意味する「瓢(ひさご)」と呼ばれていたが、いろいろな容器に使われるうち、語尾に竹製の容器を表す「箪(たん)」が結び付いて「瓢箪」と呼ばれるようになった。
・ヒョウタンはから無病息災を祈念するシンボルとしても古来から使われる。これはヒョウタンが水や薬を始めとした命に係わるものを持ち運ぶ容器であったことや、他の果実と異なって刃物で簡単に切られないことが武士に好まれたことによる。
・ヒョウタンの利用は土器に先立t、その昔は魂の容器とされた。転んだ際に魂が抜けるのを避けるため、ヒョウタンあるいは瓢箪型の小さなストラップ(根付)や印籠(いんろう)を身に着けたり、ヒョウタンの焼き印をした下駄を使ったりした。現在では一般的に酒や調味料を入れる容器と認識されており、その名残が各地の民芸店に見られる。
・ユウガオの一変種の蔓性植物であり、二つに分かれる巻きひげを木や物に絡ませながら、上へと伸びる性質を持つ。普通は収穫しやすいよう棚仕立てにし、日除けを兼用させる。ツルは切れやすいが、株全体に軟毛があり、手で触れるとザラつく。
・葉には長い柄がありツルから互い違いに生じる。葉の形はハート型に近い円形が基本だが、手のひら状に切り込みの入ることも多い。
・開花は7月で、葉の付け根から伸びた長い花茎の先端に白い花を咲かせる。花弁は5枚あり、夕方に咲いて翌日の昼までに萎むのが大きな特徴。雌雄同株で雄花は長い柄に、雌花は短い柄の先にでき、放任しても結果しやすい。
・品種によっては未熟な果肉を漬物や煮物にして食用することもあるが、基本的に果肉には毒性があり、誤食すると激しい嘔吐や下痢に襲われる。特に完熟すると苦みが増し、毒性も高まるため留意する必要がある。
【ヒョウタンの品種】
・センナリビョウタン
小さな果実をたくさんつける品種。若い果実は奈良漬などにして食する。収穫がより少ないヒャクナリビョウタンもある。
・ナガビョウタン
果実が瓢箪型にならない品種。かつてはこの果実に縄などを巻き付け、好き勝手な形にすることが流行した。
このほか果実の形態や大きさによって、大瓢、大長、直瓢、鶴首などに分類されるが、正式な品種名ではなく俗称である。
【ヒョウタンと名が付く植物】
ヒョウタンの基本データ
【分 類】ウリ科/ユウガオ属
一年草
【漢 字】瓢箪(ひょうたん)
【別 名】ヒサゴ(瓢)
【学 名】Lagenaria siceraria
var. gourda
【英 名】Gourd
【開花期】7月
【花の色】白
【草 丈】─