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オニユリ/おにゆり/鬼百合
Tiger lily
【オニユリとは】
・中国あるいは朝鮮半島南部を原産とするユリ科の多年草。食用として渡来したものが野生化し、現在では日本各地に見られる。数多いユリの中でも、ひときわ大きくて豪華な花を咲かせるためオニユリ(鬼百合)と名付けられた。別名はテンガイユリ(天蓋百合)、サトユリ(里百合)など。
・開花は夏で、茎の先端から伸びた花茎に4~20輪が咲く。オレンジ色をした6枚の花弁があり、その内側には黒い斑点模様が入る。花弁は外側に反り返り、花は下の方から順に、そして横向きが下向きに咲く。
・葉は長さ7~15センチで柄がなく、茎から互い違いに生じる。画像のように平たくて細長く、先端は尖る。葉の付け根付近にはムカゴと呼ばれる球状の黒い芽ができ、これが地上に落ちると根を出して新たな個体となる。オニユリは種子ができず、繁殖はこのムカゴか下記の鱗茎の株分けによる。
・茎は円柱状で紫がかった茶色の斑点と細かな白毛がある。地下に続く茎(鱗茎)は白く、直径6~8センチの平たい球状なる。食用になるのはこの鱗茎で、百合根(ゆりね)とも呼ばれる。
・秋から春にかけて採取した鱗茎は、多少の苦味があるものの、蛋白質や澱粉を大量に含み、天婦羅、煮物、漬物、唐揚げ、茶わん蒸しの具などにして食べる。元禄時代に刊行された日本最古の農業専門書である「農業全書」には、オニユリが飢饉を救う食糧である旨の記載がある。
・オニユリは生薬名を「巻丹(けんたん)」あるいは「百合(びゃくごう)」といい、漢方では鱗茎を咳止めや解熱に用いる。また、民間療法では鱗茎を擂り潰して酢を混ぜたものが、皮膚炎や腫物に使われる。
【オニユリの品種】
・オウゴンオニユリ
長崎県の対馬で発見された突然変異種で、画像のように見事な黄色い花を咲かせる。自生種は絶滅したため幻のユリとも呼ばれるが、園芸用に苗が出回っている。
オニユリの基本データ
【分 類】ユリ科/ユリ属
多年草
【漢 字】鬼百合(おにゆり)
【別 名】テンガイユリ(天蓋百合)
サトユリ(里百合)
【学 名】Lilium lancifolium
【英 名】Tiger lily
【開花期】7~8月
【花の色】オレンジ
【草 丈】~200cm