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オグルマ/おぐるま/小車
Oguruma
【オグルマとは】
・北海道~九州に分布するキク科の多年草。湿気を好み、各地の川辺や田の畔、草原などに群生する。夏から秋にかけて咲く花の様子を、小さな車輪に見立ててオグルマと名付けられた。中国や朝鮮半島にも分布。
・日本に自生するのは日本固有のオグルマだが、ヨーロッパに分布するオグルマの亜種と考えられているため、学名にbritannica(英国の)がある。
・オグルマの開花は7~10月。葉の間から伸びた花茎は上部で分岐し、それぞれの先端に直径3~4センチの黄色い花を一輪すつ咲かせる。花弁のように目立つのは「舌状花」で、複数の小花が車輪状に並ぶ。花の後にできる種子の頂部には長い毛があり、似た花が咲くカセンソウと見分けられる。
・オグルマの花は、同じように湿地に見られるサワオグルマ(オカオグルマ属)と比べられることも多いが、オグルマの花弁はサワオグルマよりも幅が狭い。また、サワオグルマは葉が密生オグルマは葉と葉の間隔が広く、すっきりしている。
・葉には、株元から生じる大きな根生葉と、茎から生じる茎葉があるが、花が咲く頃には根生葉や下方の茎葉は枯れ落ちる。
・茎葉は長さ5~10センチ、幅1~3センチほどの先の尖った長楕円形で、基部は茎を抱く。質は柔らかで葉脈は目立たないが、裏面の脈は画像のように隆起する。葉や茎には白い軟毛があり、地下茎から直立して草丈20~60センチになるが、地下茎が横に広がることで繁殖する。
【オグルマの品種】
・ホソバオグルマ
名前のとおりオグルマよりも葉が細くて小さく、花も小ぶりになる。都市部の河川敷などで普通に見られる。
・オオオグルマ
ヨーロッパ~北アジアに分布。漢方では「土木香」と呼ばれ、乾燥させた根を健胃や利尿に使う。
【オグルマに似た草花】
・カセンソウ
同じような場所で似た花を咲かせるが、カセンソウは葉が硬く、裏面の脈が著しく隆起している。また、カセンソウの種子にはオグルマのような毛がない。
・ミズギク
これも同じような場所で似た花を咲かせるが、ミズギクの根生葉は開花期でも地を覆うように生えている。
オグルマの基本データ
【分 類】キク科/オグルマ属
多年草
【漢 字】小車(おぐるま)
【別 名】─
【学 名】Inula britannica
ssp. japonica
【英 名】─
【開花期】7~10月
【花の色】黄色
【草 丈】~60cm