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オオオナモミ/おおおなもみ/大葈耳
Noogoora burr
【オオオナモミとは】
・北海道から沖縄まで日本各地に分布するキク科の一年草。北アメリカを原産地とする帰化植物であり、昭和初期に渡来して以降、道端、荒れ地、畑や河川敷に野生化したものが繁殖している。
・イガイガの果実は大きな「ひっつき虫」として子供に人気で、これを遊び仲間に投げた記憶のある方も多いであろうが、日本の在来種を駆逐する要注意外来生物として、侵的外来種に指定されている。
・オオオナモミの開花は8~11月。雌雄異花で、一つの花柄の上部に紅紫色の雄花が、下部に黄緑色の雌花が咲く。雄花はやや小さな球形で雄しべが目立ち、果実を小さくしたような雌花には糸状の柱頭が2本ある。
・果実(痩果)は長さ2~3センチほどの楕円形で、4~6ミリほどある多数のトゲに覆われる。先端にある特に大きな二つのトゲは柱頭が変化したもので、これが内側に曲がるのがオナモミとの違い(オナモミは曲がらない)
・果実のトゲはカギ状で、これを動物の毛や人間の衣類に引っ掛け、遠くに運ばれることで分布を広げている。漢字名にある「葈耳」は耳飾りのことで、果実の様子を例えた。果実は雌花の総苞が肥大し、元は2個あった果実が包み込まれて一塊になった「果包」というタイプのもの。
・オオオナモミの葉は大きな卵形で浅く3~5つに裂け、縁には不規則なギザギザがある。葉の裏面と茎には粗い毛があり、触れるとザラつく。
【オオオナモミに似ている草花】
・オナモミ
日本の在来種で、果実はより小さく、長さ1~2センチにとどまり、トゲも少ない。通常、オナモミという場合はオオオナモミのことで、在来のオナモミは絶滅が危惧されている上、オナモミとオオオナモミは交雑しやすく、中間的なものも多いため見分けるが難しい。
・イガオナモミ
果実にあるトゲの周りに細かな剛毛を生じる品種で、近年は数が増している。
・メナモミ
オオオナモミの基本データ
【分 類】キク科/オナモミ属
一年草
【漢 字】大葈耳/大巻耳
(おおおなもみ)
【別 名】─
【学 名】Xanthium occidentale
【英 名】Noogoora burr
【開花期】8~11月
【花の色】黄緑色
【草 丈】~200cm