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ウワバミソウ/うわばみそう/蟒蛇草
Uwabami-sou
【ウワバミソウとは】
・北海道~九州に分布するイラクサ科の多年草。山地の林内や渓流沿いの岩壁などに自生し、群落をなすことが多い。
・蟒蛇(うわばみ)=大蛇が出そうな湿った場所を好んで育つため、ウワバミソウと名付けられたが、山菜のミズナあるいはミズとしてより知られる。混同されやすいが京野菜の水菜とは別物。
・葉は左右非対称の歪んだ長楕円形で両面とも無毛。葉柄はなく、茎から互い違いに生じる。先端は尾状に尖り、縁にはっきりとしたギザギザがある。一見するとケヤキの実生に見えるが茎は柔らかで瑞々しい。
・茎は斜めに立ち上がり、30~40センチほどに育つ。ミズナあるいはミズなどと呼ばれるのは、若い茎が多肉質で水分に富むため。クセのない味わいが好まれ、酢味噌や辛し和え、汁物や御浸し、漬物などにして食用される。また、地下にある根も、擂り潰して酢醤油で調味すれば食用できる。
・ウワバミソウの開花は春~初夏。雌雄異株で、雄株には雄花が、雌株には雌花が咲く。雄花は緑白色で4個の花被片(花弁と萼)と4個の雄しべがあり、葉の脇から伸びた長い柄の先にまとまって咲く。雌花は淡い緑色の球状で柄がなく、3個の花被片がある。
・ウワバミソウにはよくトンボがとまって産卵しているが、秋になると茎の節が膨らんで「珠芽(しゅが)」ができる。茎が倒れて珠芽が着地すると、そこから新たな苗ができるため群生しやすい。
【ウワバミソウに似ている植物】
山地で稀に見られる近縁種。ウワバミソウの茎は無毛で赤みを帯びるが、ヤマトキホコリの茎は赤みを帯びない。また、雌雄同株で雄花と雌花が混在した花になるのもウワバミソウとの違い。ヤマトキホコリも食用となり、味もウワバミソウと遜色ない。
ウワバミソウの基本データ
【分 類】イラクサ科/ウワバミソウ属
多年草
【漢 字】蟒蛇草(うわばみそう)
【別 名】ミズナ/ミズ
ミンズ/アカミズ
イワソバ/シズクナ
タキミズナ(滝水菜)
【学 名】Elatostema involucratum
【英 名】─
【開花期】4~6月
【花の色】緑白色
【草 丈】~40cm