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ウド/うど/独活
【ウドとは】
・北海道から九州まで幅広く分布するウコギ科の多年草。香りのよい新芽や蕾は和え物、酢の物、天婦羅などに利用され、代表的な春の山菜として古くから親しまれる。別名はシガ、ドッカ、ヤマクジラ、ツチタラなど。中国や朝鮮半島にも自生が見られる。
・林内の半日陰地を好み、条件がよいと高さ3mほどになるが、大型の多年草であり「木」ではない。大きく育っても堅くならず、材木として使えないという意味合いで「ウドの大木」といわれるが、もともとは内部が空洞になる木には利用価値がないことを表す「洞(うろ)の大木」であったという説もある。
・葉は大きめの小葉が複数集まって長さ1mほどの羽根状になり、茎にある節から互い違いに生じる。葉柄は長めで短毛がある。食用するのは若い茎で、皮を剥いてアク抜きをすれば生でも食べられる。特有の風味があり、これを収穫するため人為的な栽培も盛んに行われる。背丈の大きくなったウドの葉は食用に向かないとされ、これを「ウドの大木=食べられない」の由来とする説もある。
・ウドの開花は夏(8~9月)で、茎の先端や上方の葉の脇から伸びた花茎に、淡い緑色の花が球形に集まって咲く。花は直径3ミリほどと小さいがそれぞれに5枚の花弁がある。花の後にできる果実は直径2ミリほど。水分を含んだ球形で黒紫色に熟す。
・スーパーなどで市販される白いウドは榁(地下穴)で人工的に育てられたもので、柔らかく食べやすい。一方、野生のウドは香りが高くて歯ごたえがあり、アクも強い。どちらも同じウドだが両者を区別するため、山採りのものをあえてヤマウドということもある。
・民間療法では、乾燥させたウドの根茎を頭痛、歯痛、めまい、強壮に、葉を煎じて飲めば整腸に効果があるとされる。
・漢字表記の「独活」は意味深だが、由来は不明。本来はシシウド(セリ科)の根のこと。
【ウドの品種】
・ミヤマウド
標高がやや高い亜高山で見られる。花が少なく、花序に毛がほとんどないのが特徴。茎は黒紫色で、より細い。ウドと同様に食用とする。
【ウドに似ている草木】
・タラノキ
・ハナウド
ウドの基本データ
【分 類】ウコギ科タラノキ属
多年草
【漢 字】独活(うど)
【別 名】シガ/ドッカ/ヤマクジラ
ツチタラ/ヤマウド/ケウド
【学 名】Aralia cordata.
【英 名】Udo
【開花期】7~9月
【花の色】白
【草 丈】~150cm