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イブキトラノオ/いぶきとらのお/伊吹虎尾
Japanese bistort
【イブキトラノオとは】
・福島県~滋賀県の高山及び亜高山に分布するタデ科の多年草。明るい草地などに群生し、開花期には一面に白い花穂を林立させる。滋賀県の伊吹山に多く、花の様子が虎のシッポに似ていることから命名された。
・開花は夏で、淡いピンク色あるいは白い花を穂状に咲かせる。花は直径3ミリほどの小さな花の集まりで、花穂全体の長さは6センチ程度。花弁のように見えるのは発達した「萼」。
・株は大型で開花期の草丈は1mを超す。葉は上下で様子が異なり、根元から生じる葉は柄が長く、茎の中程より上の葉には柄がない。葉は秋に紅葉あるいは黄葉した後に朽ち果てる。
・根(根茎)は硬く肥大し、地中を横に這うように伸びる。漢方ではこれを「拳参(けんじん)」と呼び、彼岸の頃に採取して乾燥させたものを煎じて、口内炎、扁桃腺炎、湿疹、汗疹、下痢、痔疾などの薬とする。
【イブキトラノオの品種】
・エゾイブキトラノオ(アミメイブキトラノオ)
北海道~北陸に分布する品種で、花色がより濃い。
・ホソバイブキトラノオ
紀伊半島、四国及び九州の高山に分布する品種で、名前のとおり葉の幅が狭い。
【イブキトラノオに似ている草花】
イブキトラノオの基本データ
【分 類】タデ科/イブキトラノオ属
多年草
【漢 字】伊吹虎の尾
【別 名】ヤマダイオウ/エビクサ
ヤナギソウ
【学 名】Bistorta
officinalis subsp.
【英 名】Japanese bistort
【開花期】7~9月
【花の色】淡い紅色、白
【草 丈】~120cm