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アワモリショウマ/あわもりしょうま
【アワモリショウマとは】
・中部以南の本州、四国及び九州を原産とするユキノシタ科の多年草。花が白い泡の集まりに見えることから名付けられた。ショウマ(升麻)はサラシナショウマのことで、花序(花の集り)が似ることに由来する。
・アワモリショウマは主に暖地の川岸や岩場に自生するが、梅雨時に咲く花を観賞するため、各地の庭園や花壇に植栽され、切花にも使われる。
・開花は5~6月で、茎の先端及び上部の葉の腋から生じた円錐形の花序に、白あるいはピンクの小花が多数咲く。小花の直径は1ミリもなくて観察しづらいが、花弁は5枚あって平らに開き、5本の雄しべと2本の雌しべが顔を出す。花の後にできる乾いた果実はトックリ型になる。
・葉のほとんどは株元から生じる「根生葉」で、複数の小さな葉が集まる「複葉」と呼ばれるタイプのもの。小葉は長さ3~7センチ、幅0.5~2センチの楕円形で両端が尖り、縁にはギザギザがある。肉質かつ硬質で、若い葉柄には赤みがある。
・茎は硬くて直立し、複数が密生しやすい。地下茎にある根茎は薬用となり、煎じたものを痔疾や脱肛に使う。
【アワモリショウマの品種】
・那智アワモリショウマ
和歌山県を原産とする小型の品種。葉は原種よりも厚く、艶も多い。
・アスチルベ
アワモリショウマは東アジア~北アフリカに自生するアスチルベ属の一つであるが、これらを原種としてドイツで作出された園芸品種群を特に狭義の「アスチルベ」と呼ぶのが一般的。その園芸品種は数多いが、ファイナル、エリカ、ダイヤモンド、ビジョンズなどがある。
なお、アスチルベは「明日散るべ」ではなく、光輝を意味するラテン語stilbeの否定語であり、花が華やかでない様を表す。
アワモリショウマの基本データ
【分 類】ユキノシタ科/チダケザシ属
多年草
【漢 字】泡盛升麻(あわもりしょうま)
【別 名】アワモリソウ(泡盛草)
【学 名】Astilbe japonica
【英 名】Japanese Astilbe
【開花期】5~6月
【花の色】白、ピンク
【草 丈】~60cm