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アカザ/あかざ/藜

Goose foot

アカザ,あかざ,植物
若葉の中心部が赤くなるのが名前の由来
アカザ,あかざ,植物
蕾の様子
あかざ,アカザ,藜
アカザの花
あかざ,アカザ,藜,赤座,植物
若葉は赤みを帯びるが成葉は濃緑色に
アカザ,あかざ,植物
アカザの茎
あかざ,アカザ
秋の様子

 

【アカザとは】

・中国を原産とするヒユ科の一年草。古い時代に渡来し、日本各地の田畑、道端、空き地、川原などに自生する。ユーラシア大陸原産で同じように日本に帰化しているシロザの変種で、シロザは若葉に白紛を帯びるが、本種は紅紫の粉を帯びるためアカザと名付けられた。

 

 

・日当たりの良い場所であればどこにでも生え、終戦後の焼け野原では灰を養分として本種が生い茂っていたというが、近年はシロザやコシロザの勢力に押され気味であり、本種を見かける機会は減っている。

 

・葉は丸みを帯びた菱形で長い柄があり、茎から互い違いに生じるが、夕方になると閉じるという特徴を持つ。赤紫色だが成葉は緑一色。若葉はシロザよりも柔らかで、茹でたものはお浸しや和え物にして食べることができる。

 

・アカザの葉はビタミンⅭが豊富であり、野草としては美味な部類に入るが、徒然草ではアカザの吸い物を粗末な食事の例として取り上げている。春から秋まで若菜を摘むことができるため、食糧難の折には救荒植物として重宝された。また、アカザの葉は生薬名を「藜葉(れいよう)」といい、虫刺されには生の葉をよくもんで患部に押し当てる。

 

・若いアカザの茎は柔らかだが、養分多い場所では人の背丈を越えるほど大きく、そして真っすぐに育つため、古くはこれを杖に使った。アカザで作った杖は軽量かつ丈夫であり、中風の予防や長寿を期待できる縁起物として喧伝していた時代もあった。

 

 

・アカザの開花は9~10月で、茎の先端や葉の脇から伸びた穂状の花序に、花弁のない黄緑色の小花を多数咲かせる。果実は秋に熟し、手で揉むと小さな種子が転がる。種子は黒褐色の歪な球形で表面には光沢がある。種子も食用となり、食糧難の時代には穀物に混ぜて食した。

 

 

【アカザに似た草花】

 

・シロザ

 同じような場所に生えるが、新葉は赤紫ではなく白い粉を帯びる。また、アカザの葉は丸みを帯びるがシロザは葉の先がやや尖る。しかし、両者の中間種もあり見分けが難しいこともある。

アカザの基本データ

 

【分 類】ヒユ科/アカザ属

     一年草

【漢 字】藜/赤座/阿加佐

【別 名】アカジャ/アカアカザ/アカダ

【学 名】Chenopodium album

     var. centrorubrum

【英 名】Glaucous goosefoot

【開花期】9~10月

【花の色】黄緑色

【草 丈】~200cm

 

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