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アイ/あい/藍
Indigo plant
【アイとは】
・アジアの温帯地域(中国南部あるいはインドシナ半島南部が想定されている)を原産とするタデ科の一年草。葉から染料の藍を採取することを目的に、2000年以上も前から栽培される。
・アイが日本に伝播した時期は不明だが、仏教が伝来した6世紀半ば、遣唐使によって中国から渡来したとの説もある。栽培が盛んになったのは江戸時代中期頃からで、藍染めの原料として今なお使われる。
・藍色の色素(インディゴ)を含む植物はウォード、インド藍、タイセイなど世界中に100種類以上あるため、本種をタデアイ(蓼藍)と呼んで区別することもある。
・日本におけるアイの商業生産は徳島県が圧倒的であり、北海道や青森県がそれに次ぐが、染料としての需要は減っており食用に転じる例もある。
・アイの葉は細長い卵形で紅紫色の茎から互い違いに生じ、草丈は30~80センチほどになる。染料となるのは葉で、緑の葉を傷付けたり、乾燥させたりするとすぐさま藍色になるが、これを安定した染め物として利用するには多くの工程を必要とする。葉は上の方ほど藍色の色素が多く、また、開花が近付くほど藍色の含量が増える。
・開花は8~10月頃で、たくさんの小花が穂状に集まって咲く。現在日本で栽培されるのは「小上粉」や「小千本」という品種だが、赤い花が咲く品種と白い花が咲く品種があり、開花時期は微妙に異なる。花の後にできる果実は3ミリほどの三角形。
・漢方ではアイの実を「藍実(ちんじつ)」といい、あらゆる毒を消すとされる。日本でも各地にアイの実や葉を用いた民間療法があり、解毒以外にも解熱、扁桃腺炎、中毒症状の緩和に効果があるとされた。農作業にアイで染めた紺色の作業着、足袋、手甲などを使うのは蛇などの毒除けを期待してのこと。
・アイは温暖かつ湿気のある場所を好むため、ある程度の降雨量が見込まれる場所に植栽するのが望ましい。
【アイに似た草花】
・ヤマアイ
アイの基本データ
【分 類】タデ科/イヌタデ属
一年草
【漢 字】藍/縹(はなだ)
【別 名】タデアイ/アイタデ
【学 名】Persicaria tinctoria
【英 名】Indigo plant
【開花期】8~10月
【花の色】紅色、白、ピンク
【草 丈】~80cm