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ヒルガオ/ひるがお/昼顔
False bindweed
【ヒルガオとは】
・北海道~九州の各地に分布するヒルガオ科の蔓性多年草。道端や田畑の畔、野原などに自生し夏の盛りに開花するが、繁殖力が高く、厄介な雑草として扱われることが多い。日本以外では朝鮮半島や中国に自生が見られる。
・朝しか咲かないアサガオに対し、朝開いて夕方に萎むためヒルガオと呼ばれるが、古くはカオバナと呼ばれており、万葉集にその名が登場する。中国からアサガオが渡来した後、アサガオに対してヒルガオと呼ばれるようになった。
・ヒルガオの開花は夏で、葉の付け根から伸びた花柄にアサガオに似たラッパ型の花を咲かせる。花は直径5~6センチで淡いピンク色。付け根には小さな萼と、それを包み込むような卵形の苞葉が2枚あり、似たような花と見分ける際にポイントとなる。アサガオのように結実するのは稀で、根茎によって増える。
・葉は長さ5~10センチの細長い三角形で、基部は耳のように小さく突き出す。葉柄は長めで、5~10センチほど。茎は蔓となり、他物に左巻きに絡みついて繁茂する。英名にあるbindは巻付くの意味。若葉や蔓にはまったくクセがなく、御浸し、和え物などにして食べることができるが、花も酢の物にして食用できる。
・根茎は白くて細長く、地中深くを這う。途中で切れてもそこから新たな芽を出すため、根絶の難しい雑草とされるが、人気の根菜であるサツマイモはヒルガオの仲間であり、ヒルガオの根も同じような味があり、かき揚げなどにして食べるとおいしい。
・ヒルガオは薬用にも使われ、生薬名を「旋花」という。生の葉を揉んで虫刺されに、全草を乾燥させた煎じて飲めば、利尿や強壮に効果があるとされる。
【ヒルガオの品種】
・コヒルガオ
アジア東南部に分布する近縁種。花は直径3~4センチで、葉は細い三角形だが基部の両側が張り出して五角形に見える。また、ヒルガオと違って、花柄の上部に縮れたヒレがある。
・ヒロハヒルガオ
山地に生え、ヒルガオよりも葉が大きくなる。
・ハマヒルガオ
海岸の砂地に見られる品種で、ヒルガオと同じような花を咲かせるが、葉は画像のように丸く、表面に光沢がある。
ヒルガオの基本データ
【分 類】ヒルガオ科/ヒルガオ属
蔓性多年草
【漢 字】昼顔(ひるがお)
【別 名】カオバナ(容花/貌花)
オオヒルガオ/ホソバヒルガオ
アメフリバナ/カミナリバナ
ハタケアサガオ/チョクバナ
【学 名】Calystegia pubescens
【英 名】False bindweed
【開花期】6~8月
【花の色】淡いピンク
【草 丈】─