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バイカモ/ばいかも/梅花藻
Ranunculus nipponicus
【バイカモとは】
・北海道~本州の清流に分布するキンポウゲ科の多年草。日本の固有種であり、花がウメに、葉が藻に似るためバイカモと名付けられた。いわゆる水草の一種だが清涼な流水を好み、庭の池や水槽などで育てるのは難しい。名所は地蔵川(滋賀県米原市)など。
・バイカモの開花は5~10月で長め。葉の脇から伸びた花茎に直径1~2センチの白い五弁花が一輪ずつ咲く。花茎は長さ3~10センチで、穏やかな流れでは水の上に立ち、流れになびいて揺れ動くが、急流では水中花のようになる。
・花はウメというよりもドクダミに似た雰囲気だが、花弁は5枚(ドクダミは4枚)で、その基部は黄色く、多数の雄しべと雌しべ、そして5つの萼がある。花の後にできる果実は小さな楕円球が多数集まった球形。短毛があり、乾くと表面に横皴ができる。
・葉は糸状に3~4回裂け、全体としては房状になるが、流れの中では藻のようにはっきりしない。葉柄は短く、茎から互い違いに生じる。茎は中空で細いが、長さ1~2mにもなり、下部の節々から出る根を地中に固定して育ち、毎年同じ場所に生える。
・5~7月に採取した若い茎葉、そして花や蕾も食用になる。柔らかでクセがなく、御浸しや酢の物にして食べるのが普通だが、自生地が減っているため天然物を採取するのは控えたい。
【バイカモの品種】
・イチョウバイカモ(イチョウババイカモ)
中部地方の高山に分布する品種。葉は長さ1センチほどだが、名前のとおりイチョウに似た扇状になる。
・ヒメバイカモ
北海道~九州に分布する小型の品種、花の直径は5ミリほど。果実に毛がないのも原種との違い。
・ミシマバイカモ
イチョウバイカモの品種で、葉が掌状に深く裂ける。静岡県三島市にある楽寿園で発見された。
バイカモの基本データ
【分 類】キンポウゲ科/キンポウゲ属
多年草
【漢 字】梅花藻(ばいかも)
【別 名】ウメバチモ/ウメバチソウ
ウダゼリ/カッポグサ
キンギョモ/カワマツ
ミズヒジキ
【学 名】Ranunculus nipponicus
var.submersus
【英 名】─
【開花期】5~10月
【花の色】黄色
【草 丈】~200m