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ハンゴンソウ/はんごんそう/反魂草
Aleutian ragwort
【ハンゴンソウとは】
・北海道~中部地方に分布するキク科の多年草。晩夏に咲く花は鮮やかな黄色で主張が激しく、草丈1~2mにもなるためよく目立つが、日本の在来種であり、深山山の草地や湿地、林縁などに自生する。
・花はキオンに似るが、葉はトウカエデのような扇状で3~7つに深く裂ける。「はんごん」の漢字表記は「反魂」で、死者の魂をあの世から呼び戻すという意味だが、垂れ下がる葉の様子を幽霊に擬えて名付けられたという。
・ハンゴンソウの開花は7~9月でキオンよりやや早い。花茎は頂部から伸びて分岐し、直径2センチほどの小花が多数、半球状に集まって咲く。キク科の花は中心部の筒状花と周りにある舌状花からなるが、ハンゴンソウの舌状花は4~7個でキオンより多い。
・茎は太くて丈夫だが、葉が開く前の、長さ20~30センチ程度の若い芽は食用になる。キク科特有の香りと苦味があるため生で食べるのは難しいが、アク抜きしたものは和え物、酢の物、炒め物、煮つけなどに利用され、塩漬けや乾燥させたものは味がよい。
【ハンゴンソウに似ている花】
北アメリカを原産とする帰化植物。北アメリカに30種ほど分布するテンニンギクの仲間で、観賞用に導入されたものが日本全国で野生化した結果、特定外来生物に指定されている。花は直径8センチで名前のとおり大きく、中心にある筒状花は緑色になるという違いがある。
・キオン(黄苑)
山地に生える近縁種で、8~9月に黄色い五弁花を咲かせる。草丈は50~100センチほどであり、ハンゴンソウに比べると全体に端正。ヒゴオミナエシともいう。
ハンゴンソウの基本データ
【分 類】キク科/キオン属
多年草
【漢 字】反魂草(はんごんそう)
【別 名】ナナツバ/ヤチウド
【学 名】Senecio cannabifolius
Senecio
【英 名】Aleutian ragwort
【開花期】7~9月
【花の色】黄色
【草 丈】~200cm