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ハマギク/はまぎく/浜菊
Nippon daisy
【ハマギクとは】
・本州北部(青森~茨城県常陸那珂市)の太平洋岸に分布するキク科ハマギク属の多年草。日本に350種ほど自生する野菊の中で最も大きな花を咲かせ、耐寒性が高いことから、観賞用として江戸時代から栽培される。日本固有種であり、英名はニッポンデージーという。
・北国の海辺に力強く咲く姿は時に人の生き様に擬えられ、東日本大震災後にはハマギクを復興の象徴とする動きが見られた。
・ハマギクの開花は秋(9~11月)で、茎の先に咲く直径6センチほどの花には特有の香りがある。白い花弁と黄色い花芯はマーガレットやデイジーに似るが、葉の質感はだいぶ異なる。
・葉は多肉植物のように肉厚で、表面には光沢があり、イエギクのように裂けることなく、ヘラ型になる。葉柄がなく枝から密生するが、よく見ると二枚の葉が対になって生じている。また、葉の先端の方は縁がギザギザになっているが、まったくギザギザのない葉もある。
・茎は斜上し、高さ60~90センチほどになる。若い茎は緑色で弱々しいが、株が古くなると木のような質感になり、直径も10センチ近くになる。このためハマギクは同様の形態を持つコウヤボウキと共に木(亜高木)として分類されることもある。
【ハマギクの品種】
・シャスターデージー
本種とフランスギクの交配種で、園芸用として人気が高い。
【ハマギクに似ている草花】
・ヨメナ
白い花が咲く野菊で、ノコンギクに似るが、葉、茎に毛がないため見分けられる。
・シオン
九州及び中国地方の山間に見られる大型のキク。
こちらも草丈が1.5mほどになる大型のキクで、5~6枚の花弁を持った花がまばらに咲くのが特徴。
・ダルマギク
日本海側に自生するキクで、短い茎の先端に柔らかな毛で覆われた丸い花を咲かせる。
「若狭地方に生じるハマギク」ではなくリュウノウギクの変種。大形の花を咲かせるが葉の様子は大分異なる。
北日本の太平洋側に分布するキクの仲間。茎が木質化せず、葉は浅く裂ける。
ハマギクの基本データ
【分 類】キク科/ハマギク属
多年草
【漢 字】浜菊(はまぎく)
【別 名】─
【学 名】Nipponanthemum
nipponicum
【英 名】Nippon daisy
【開花期】9~11月
【花の色】白(花の中央部は黄色)
【草 丈】~100cm