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毒のある草木
Poisonous plants in Japan
庭木の種類は数多く、中には実や枝葉に毒のあるものもあります。毒と薬は紙一重であり、日本人はこれらを上手に利用してきたのですが、御家庭に小さなお子さんがいたり、犬を飼っていたりした場合、そんな悠長なことは言ってられません。
知らずに毒のある木を植え、誤って実や枝葉を口にされることのないよう、食べると危険な「毒のある木」を順不同でリストアップしてみました。中には汁液が肌に触れるとかぶれを起こすというタイプの毒性も含みます。
木の名前や画像をクリックすると詳細ページへ移動します。
毒がある木
一見すると小さなブドウのようだが有毒成分を含んでおり、誤食すると最悪の場合は心臓麻痺を招く。
葉はオオバのようだが、飾りであって食べるものではない。セイヨウアジサイの葉は腹痛、嘔吐、めまいを引き起こす。
漢字表記は「馬酔木」で、馬がこの葉を食べると酔ったように脚が不自由になる。人間もアセビの葉を食べると・・・
種子から油を採取するため、かつては国策として育てたが今では放置。種子含まれるエレオステアリン酸が有害。
メスの木になる赤い実は食用となるが、その種はタキシンというアルカロイドを含む。有毒性であり飲み込むと・・・
一般的なイメージの毒とは異なるが、種子の皮には有毒成分があり、特に幼い子供は触れると皮膚炎になる。
実はサポニンという物質を含み、石鹸の代用としたが毒性があり、食べると胃の粘膜がやられて喀血する。
ホウキのような樹形をヨーロッパでは魔女が使う箒に見立てた。初夏に咲く花は鮮烈だが、木全体に有毒物質を含む。
アメリカシャクナゲともいう。葉に麻酔性の有毒成分を含み、誤食すると嘔吐、下痢、腹痛、神経麻痺を引き起こす。
世間的には最も有名な毒のある木の一つ。枝を串焼きやバーベキューに使って・・・というエピソードが知られる。
イチイの変種であり、同じように実がなり、同じように種子に毒性がある。庭木としてはイチイよりも使い勝手がいい。
夏に白と黄色の花を咲かせ、秋には艶やかな瓢箪型の赤い実がなる。庭木としてもってこいのように思えるが・・・
目を見張るような大きな豆はエゴノキ同様、石鹸の代用とされるが、こちらもサポニンを含み、食用にはならない。
サカキの代用として神事に使われる木だが、見た目にも毒々しい実は、有毒成分を含む「悪しき実」とされる。
華麗な花を咲かせるが、葉はロドトキシンという痙攣性の有毒物質を含み、誤用すれば運動麻痺や呼吸不全に。
早春に咲く花の香りが高く、庭木として多用されるが樹液にダフネチンを含み、肌に触れると炎症を起こすことがある。
秋にできる実は野鳥の好物だが食用できない。民間薬として整腸、鎮痛作用があるというが、誤用すれば呼吸停止も。
リゾート感があり手入れも簡単なため近年、その存在が見直されているが、雌株にできる実は危険。
ヤマウルシの近縁種で蔓が田墨に絡んで育つ。これも乳液に触れると、かぶれを引き起こす。
日本三大有毒植物の一つであり、全草に毒がある。夏にできる赤い果実はよく目立ち、見た目も綺麗だが・・・・
ちょっと立派な栗といった雰囲気の実は手間暇をかけないと食べることができず、別名を馬栗という。
街路樹にも使われる紅葉が綺麗な木だが、種子に有毒成分が含まれている。
平地の道端にも多数生じ、秋には綺麗に紅葉するがウルシの仲間。枝葉の乳液にウルシオールが含まれる。
アセビに似た花を咲かせるが同様に有毒植物であり、本来は庭に使われるような木ではなかったが・・・
漢方薬では利尿や通経に使うが、全草に有毒物質を含んでおり、日本では有毒植物とされて忌み嫌われることも。
プチトマトのような実は一見、おいしそうだが有毒で、命を落とすこともある。小さな子供やペットがいる家庭では厳禁。
クリスマスの鉢植えに使われるが、じつは木の仲間。枝葉をちぎると出てくる乳液には毒性がある。
花の少ない時期に咲くため珍重されるが、木全体に有毒物質を含み、誤って食べると頭痛、嘔吐、痙攣などを引き起こす。
葉の煎汁を水虫などの皮膚病に用いる民間療法があったが、全草にクマリン配糖体を含む。
シキミといえどもミカンの仲間で、葉をちぎるとミカンのような独特の香りがあるが、葉や実には有毒成分を含む。
枝葉を傷付けると、かぶれの原因となるウルシオールを含む乳液が出てくる。
縁起の良い木として知られるが有毒物質を含み、動物が食べると立てなくなったり、食欲不振を引き起こしたり・・・
日本のツツジでは最大級の花を咲かせるレンゲツツジ。高原で群落をなすのは、動物の食べ残しだった。
毒のある草花
木ではなく、冬季に地上部がなくなる多年草にも毒のあるものがあります。数限りなくあるため、ここでは有名どころだけ載せています。
戦時中は胃薬として使用。日本全国の低地や草原に見られ、タカトウグサ、センキソウといった地方名もある。
山菜として食用されるニリンソウとの混同から、これを食べて胃腸炎になる例があるという。
林縁の半日陰地に育つ蔓性植物。初夏に一風変わったラッパのような花が咲くため話題になりやすい。
マムシグサと同じテンナンショウの仲間。茎の汁液、根、果実に触れると湿疹を、食べれば口内炎、嘔吐、下痢等に。
大きな3枚の葉が印象的な多年草。オオミツバ、ヤマソバなどの地方名があるが、根や茎にサポニンを含む。
西日本に多いウラシマソウやマムシグサの仲間。同じように風変わりな花を咲かせるが、汁液や実に毒性がある。
観賞用に人気が高く、うつむくように咲く花や、フワフワの綿毛には思わず手が伸びそうになるが・・・
徳川家康が床の間にこれを飾って江戸城に入ったとされ、引越し祝いに好適な縁起物でもあるが、全草に毒性がある。
かつては田畑の畔で普通に見られ、薬用にも使われたが、実や根には猛毒がある。
ヒガンバナに先立って朱色の花を咲かせるが、根には同様の毒性があり、ノビルと混同して起きる事故が。
キンポウゲに似た花が咲き、金平糖のようなみができるが、これも毒草で、肌が弱い人は特に注意が必要。
身近な場所に見られる多年草で、鮮やかな黄色い花くが、誤食すると腹痛等を引き起こす。
皮膚炎の治療に万能として「草の王」だが、アルカロイドを含んでおり逆効果も。株全体に産毛があって白っぽい。
日当たりのよい土手などに群生する多年草。根は漢方に使われるが、強烈な苦味があり、名前には冗談のような名由来が。
夏~秋に咲く白いブラシのような花には甘い香りがあるが、キンポウゲの仲間。
夏に綺麗な紫色の花を咲かせるが、全草にアルカロイドを含み、誤食すると命にかかわることも。
有毒だがニラと間違えて餃子に使うという事故が後を絶たない。汁液に触れると皮膚がかぶれることも。
初夏に可憐な花を咲かせるが、新芽をギョウジャニンニクと間違えて食べるという事故が多いとか。
夏に咲く花には甘い香りがあり、名前の由来となった果実も特徴的だが、馬も牛もこれを食べない。
新芽がキクに似るが、雑草?としては最大級の草丈に。秋には小魚のよな実がぶら下がってよく目立つ。
インドなどを原産とする一年草。かつては種子をヒマシ油と称して下剤に使ったが、世界五大猛毒のリシンを含む。
山菜としてお馴染みのセリに似るが、より大型で、株元には竹のような節がある。日本三大有毒植物の一つ。
秋の彼岸になると出てくるお馴染みの花。家に持ち帰ってはいけないという言い伝えがあったほどの嫌われもの。
正月の縁起物だが全体に毒があり、フキノトウと間違えて食べて事故に至る例も。全草に強心作用のあるシマリンを含む。
道端や田畑の畔に見られる一年草。早春に咲く筒状の花を摘んで蜜を吸ったことのある方も多いでしょうが・・・
いかにも「毒があります」という感じで薄暗い林内に立ち尽くす本種。多くの仲間があるがいずれも食用にならない。
知名度も人気も高いミズバショウ。食べようと思う人は少ないはずだが、小さな新芽は食指が動くか。
田畑の畔や溝に自生する小さな草だが、セリに混ざって悪さをする。開花は夏~秋で、花は特徴的な形。
空き地や道端で綺麗な紫の花を咲かせるがケシの仲間。新芽が食用になるエゾエンゴサクに似るため厄介。
毒草として名高いトリカブトの代表種。新芽をニリンソウと間違える事故事例が多い。日本三大有毒植物の一つ。
赤紫の実を潰すとインクのような果汁が洋服にベッタリ。空き地や道端でよく見る存在感のある外来種。