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ウバユリ/うばゆり/姥百合

Heartleaf lily

うばゆり,特徴,ウバユリ
花は地味だが凛と佇む姿が美しい
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新葉の様子
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成葉の様子
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ウバユリの葉で休むカエル
Heartleaf lily
裏面の様子
開花期,うばゆり,姥百合
ウバユリの花(シベが見えるよう人為的に開いています)
Heartleaf lily
雄しべは6本あり、長さが微妙に異なる
ウバユリ,花,うばゆり,姥百合
花の内側には褐色の模様が入る
Heartleaf lily,flower
花の裏側(苞)の様子
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苞の下には小さな鱗片葉が続く
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茎は中が空っぽ
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開花期に茶変する葉もある
果実,種子,うばゆり
ウバユリの実
姥百合の実,ウバユリ
熟した果実は秋の丘陵でよく目立つ
うばゆり.種子,ウバユリ
中には長さ8ミリほどの小さな種子がポテトチップスのように重なっている
うばゆり,種子,ウバユリ
種子の周りにある薄い膜が翼になって拡散される

 

【ウバユリとは】

・関東地方以西の本州、四国及び九州に分布するユリ科の多年草。名前の由来には諸説あり、葉(歯)がなくなってから開花するため姥百合(うばゆり)と名付けられたという説が有名だが、実際は開花期に葉がある。日本の固有種であり、林内の木陰などやや薄暗い場所に自生するが個体数は減っており、地域によっては準絶滅危惧種に指定される。

 

 

・ウバユリの葉はヤマユリオニユリなどとは全く異なる卵形~ハート形で、茎の中ほどに5~6枚がまとまって生じる。葉脈も網目状であり、平行脈となるユリの仲間とは一線を画している。そもそもウバユリはウバユリ属であり、一般的なユリとは異なる。

 

 

・葉には長い柄がありギボウシや観葉植物を思わせる。大きくて瑞々しい葉の様子は花材として好まれ、初夏を飾る生け花に使われることも。「ウバ」は「姥」ではなく「大きい」を意味し、ウバユリという名は、幅広で大きな葉や直立する草姿に由来するという説もある。

 

 

・開花は7~8月。花は緑がかった白色の漏斗型で、長さ12~18センチほど。花弁(花被片)は6枚だが筒状に生じ、内側には紫がかった褐色の小さな斑点模様が入る。6本ある雄しべは長さが異なり、雌しべを包むように生じる。

 

 

・ウバユリはタケやササと同じような「一回繁殖型植物」であり、一度花を咲かせると鱗茎(根)ごと枯れるという儚い性質を持つが、開花までに5~10年かかるといわれる。

 

 

・花の後には画像のような果実ができ、褐色に熟すと自然に裂けて種子を落とす。果実は長さ4~5センチで、種子には扁平な翼がある。花の少ない時季にできるウバユリの実は、ドライフラワーのようだが、なかなか存在感がある。

 

 

・茎は太めだが内部は空っぽで、地下にある鱗茎(球根)から真っすぐに伸び、上記の葉とは別に鱗片状の小さな葉が規則的に生じる。鱗茎はヤマユリなどに比べると小さいが食用となり、新芽が出た頃に採取したものを天婦羅に、すりおろしたものを水にさらしてデンプンを得るなどした。 

 

 

【ウバユリに似ている植物】

 

・オオウバユリ

 北海道や中部地方以北の本州日本海側に分布する大形の品種で、草丈が150~200センチほどになる。花はウバユリよりも大きくて数も多いため、画像のように複数の実が残りやすい。別名はエゾウバユリ、ウンバイロ。鱗茎から上質のデンプンを採取できる。

 

 ウバユリの葉は先端が尖り、オオウバユリの葉は丸みを帯びるという見解もあるが、ウバユリとオオウバユリの違いについては草丈のみで、その他の性質は変わらないという説もある。 

おおうばゆり,大姥百合
オオウバユリの花
おおうばゆり
オオウバユリの実
おおうばゆり
オオウバユリの葉

ウバユリの基本データ

 

【分 類】ユリ科/ウバユリ属

     多年草

【漢 字】姥百合(うばゆり)

【別 名】ババユリ/オバユリ

     カバユリ/ネズミユリ

【学 名】Cardiocrinum cordatum

【英 名】Heartleaf lily

【開花期】7~8月

【花の色】

【草 丈】~100cm

 

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