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ウコン/うこん/鬱金
Turmeric
【ウコンとは】
・熱帯アジアを原産とするショウガ科ウコン属の多年草。インドでは3、000年以上前から栽培され、根茎を薬や染料とした。日本へ渡来したのは享保年間(1716~1735年)のことで、沖縄、屋久島、種子島などで栽培される。
・地下を這う根茎はショウガに似た多肉質で分岐が多い。特有の香りと辛味があり、断面は黄色。古くから染料(鬱金粉という)として知られ、カレー粉、沢庵などの食品や絹、綿布などの着色に使ってきた。
・根茎にはクルクミンというポリフェノール化合物と健康によい精油成分が含まれており、止血、痔疾、創傷、膿腫の漢方薬や免疫力を高める健康食品としても親しまれる。沖縄ではウッチンと呼び、輪切りにして乾燥させたものをチップとして食用する。
・ウコンという名は漢名「鬱金」の音読みによる。別名はキゾメグサ(黄染草)あるいはクルクマで、前者は染料に用いたことにより、後者は学名Curcuma longaによる。
・葉は大きな長楕円形で株元から多数生じ、先端が尖る。ショウガやバショウに似るが、バショウよりはやや小さい。質は肉厚で長い柄があり、表面は鮮やかな緑色。裏面は規則的に並ぶ葉脈が美しい。自生地では常緑性だが、霜が降りるような地域に植栽した場合、地上部は冬季に消える。
・ウコンの開花は初秋。葉の間から立ち上がった花茎に、淡い黄色の花が穂状に咲く。花の本体は小ぶりだが、淡い黄緑色をした幾重もの苞に包まれる様は華やかであり、稀に切り花として使われる。
【ウコンの品種】
・春ウコン
春に開花し、葉の裏側に毛がある。クルクミンと精油成分の両方を豊富に含む。
・秋ウコン
夏に開花し、葉の裏が無毛でツルツルする。クルクミンのみを豊富に含む。
・紫ウコン
葉の中央が赤みがかった品種。精油成分を豊富に含む。
【ウコンと名の付く植物】
ウコンの基本データ
【分 類】ショウガ科ウコン属
多年草
【漢 字】鬱金(うこん)
【別 名】ターメリック/キゾメグサ
【学 名】Curcuma longa
【英 名】Turmeric
【開花期】7~9月
【花の色】淡い緑、淡いピンク
【草 丈】~50cm