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ヒメサユリ/ひめさゆり/姫小百合
Hime-sayuri
【ヒメサユリとは】
・山形、福島、新潟の限られた地域に分布するユリの仲間。かつては低山の草地にも見られたが、鱗茎(根)が食用になることや花の美しさから乱獲が進み、生育地の環境の変化もあいまって現在は高山の丘陵地や海岸の崖地で稀に見られる。
・西日本に多いササユリ(サユリ)に似るが草丈がより低いことからヒメサユリと名付けられた。別名はオトメユリで、花に女性的な美しさがあるとされた。自然環境での個体数は減っているが、自生地近くでは保護が進んでおり、数万株を群生させてイベントに利用している例もある。
・ヒメサユリの開花は5~8月で、野生のユリとしては最も早い。花は漏斗状の釣鐘型で、横向きに1~3輪ずつ咲く。花被片はピンク色だが、環境や個体によって濃淡がある。花先は反り返るが、6本ある黄色い雄しべは短く、横向きでは目立たない。雌しべは先端が三つに咲け、細かな毛を密生する。他のユリと同様、花には特有の香りがある。
・葉は幅の狭い楕円形だが、ササユリに比べると短くて幅広。長さ5~10センチ、幅3~4センチほどで両端は尖り、短い葉柄を経て柔らかな茎に連なる。茎は細い円柱状で無毛。直立して草丈30~40センチほどに育つ。
・地下にある鱗茎(根茎)は直径2~3センチほどの小さな卵型。苦味がなく食用となり、イモのような食感があるとされる。
【ヒメサユリに似ている草花】
・ササユリ
ヒメサユリの基本データ
【分 類】ユリ科/ユリ属
多年草
【漢 字】姫小百合(ひめさゆり)
【別 名】オトメユリ(乙女百合)
【学 名】Lilium rubellum
【英 名】─
【開花期】5~8月
【花の色】淡い紅色
【草 丈】~40㎝