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コバノミツバツツジ/こばのみつばつつじ
小葉三葉躑躅
Kobanomitsubatsutsuji tree
【コバノミツバツツジとは】
・静岡以西の本州、四国及び九州の山地に分布するツツジ科の落葉低木。ミツバツツジの一種で、自生地では他の花木に先駆けて開花し、山一面を紫色に染めて春の訪れを告げる。
・開花は3~5月で、葉の展開に先立つのが基本だが、開花と同時に葉が開く株もある。花は直径3~5センチ程度の漏斗型。花先は深く五つに裂け、紅紫色あるいは薄紫色。
・花は枝先に1~2輪が咲く。花柱(雌しべ)は1本で、雄しべは10本。花柄、子房に褐色の毛があり、花柱に毛がないのが特徴。花の後には乾いた果実ができ、8~10月に熟すと自然に裂ける。
・葉はミツバツツジと同様で、直径3~7センチの小葉が三枚一組になって枝先につく。ミツバツツジには種類が多いが、いずれの物よりも葉が小型であるため「コバノ(小葉の)ミツバツツジ」と名付けられた。小葉の先端は尖り、基部はクサビ形。若葉は両面に毛があるが後に脱落して光沢を増し、裏面は毛が残るため白っぽい。若い枝にも毛を生じる。
・コバノミツバツツジの名所としては大阪府の紫金山公園が知られる。公園の名前自体が本種に由来し、市民をあげた保全活動が行われている。
・ミツバツツジには他に、トウゴクミツバツツジ、サイコクミツバツツジ、トサノミツバツツジ、キヨスミミツバツツジ、ヤクシマミツバツツジ、ダイセンミツバツツジなどがある。
【コバノミツバツツジの育て方のポイント】
・山の尾根、雑木林あるいはアカマツ林の縁など乾燥した場所を好む。
・本来は酸性土壌に育つが適応力があり、日向であれば土質を選ばずに育つ。
・温暖な地を好み、雪にやや弱い。
・かつては柴につかわれたほど剪定に強いが、強度の剪定は風情がなくなるので、極端に伸びた枝を根元から取り除くような柔らかい剪定が望ましい。
コバノミツバツツジの基本データ
【分類】ツツジ科/ツツジ属
落葉広葉/低木
【漢字】小葉の三葉躑躅
【別名】─
【学名】Rhododendron
reticulatum
【英名】Kobano-mitsuba
tsutsuji-tree
【成長】早い
【移植】ふつう
【高さ】1.5~4m
【用途】公園/切り花/公園
【値段】500円~