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コシアブラ/こしあぶら/漉し油

Koshi-abura tree

コシアブラとタラの芽,こしあぶら
タラの芽とともに天婦羅で知られる
コシアブラ,こしあぶら,見分け方
冬芽(3月中旬)の様子
こしあぶらの芽,コシアブラ
新芽の様子
こしあぶら,植物,コシアブラ
若葉には細かな毛がある
葉が食べられる木,こしあぶら
若葉は山菜として食用になる
こしあぶら,山菜,コシアブラ
新葉の様子(5月上旬)
コシアブラの木
裏面の様子
コシアブラ,紅葉,ゴンゼツノキ
黄葉の様子
コシアブラの木,紅葉,こしあぶら
暖地での紅葉はパッとしない
こしあぶら,植物
コシアブラの果実(未熟)
育て方,種子,栽培
コシアブラの種子は直径4ミリほど
コシアブラの幹,こしあぶら
樹皮の様子
こしあぶら,樹木
幹の断面
こしあぶら,木
コシアブラの材は加工しやすい

 

【コシアブラとは】

・沖縄を除く日本全国に分布するウコギ科の落葉高木。自生は山地の林内に多い。コシアブラという名前は「腰油」ではなく、古代にこの樹脂をろ過して(漉して)油を採取したことにちなむ。

 

 

・コシアブラの樹脂は、平安時代にウルシが普及するまでサビ止めの塗料「金漆(ゴンゼツ)」の原料として珍重された。別名をゴンゼツ、ゴンゼツノキというが、金漆にはタカノツメも使われたため、タカノツメにも同様の別名がある。

 

 

・葉は小さな楕円形の葉が5枚一組で、手のひら型に集まる。葉の付け根部分(=葉柄)が8~30センチほどの長さになるのが特徴。香りのよい新芽は代表的な山菜であり、天婦羅などにして食される。葉の出方は枝によって異なり、長い枝では互い違いに生じるが、短い枝では先端に密生する。

 

 

・秋には黄色または白銀色に変化し、周囲の黄葉とのコントラストが美しいため、観賞用として庭に植えることもある。

 

 

・黄葉は向こう側が透けて見えるような色合いであり、他の似たような木と見分けるのに役立つ。

 

 

・コシアブラの開花は8~9月頃で、淡い黄緑色の小花が円錐形状に集まって枝先に咲くが、多くの場合、高い位置にあるので観察は難しい。

 

 

・花の後には果実がなり、10~11月ごろになると黒紫色に熟し、先端には雌しべの柱頭が残る。果実には苦味があって食用にならないが、ツグミやヒヨドリはこれを目当てに集まる。

 

 

・樹高は最大で20m近くになるが、山道付近のものは山菜として芽摘みされるため、5m程度にとどまることが多い。樹皮は灰白色で、皮目と呼ばれる細かな点々があり、樹齢を重ねると樹皮が剥離して黒光りする。材は箸や爪楊枝、マッチの軸に使われる。

 

 

【コシアブラの育て方のポイント】

・いわゆる陽樹であり、日向を好む。

 

 

・丈夫な性質を持ち、剪定にも耐えるが、樹形は奔放で整いにくい。剪定するほど樹形は乱れるのが普通。広い場所に単独で植えて放置するのがよい。

 

 

【コシアブラに似ている木】

タカノツメ 

 

 

ハリギリ

 

コシアブラの基本データ

 

【分類】ウコギ科/コシアブラ属

    落葉広葉 高木

【漢字】漉し油/濾し油

【別名】ゴンゼツノキ/ゴンゼツ

【学名】Chengiopanax

    sciadophylloides

【英名】Koshi-abura tree

【成長】やや早い

【移植】簡単

【高さ】5~18m

【用途】山菜/器具材

【値段】1500円~

 

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