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コシアブラ/こしあぶら/漉し油
Koshi-abura tree
【コシアブラとは】
・沖縄を除く日本全国に分布するウコギ科の落葉高木。自生は山地の林内に多い。コシアブラという名前は「腰油」ではなく、古代にこの樹脂をろ過して(漉して)油を採取したことにちなむ。
・コシアブラの樹脂は、平安時代にウルシが普及するまでサビ止めの塗料「金漆(ゴンゼツ)」の原料として珍重された。別名をゴンゼツ、ゴンゼツノキというが、金漆にはタカノツメも使われたため、タカノツメにも同様の別名がある。
・葉は小さな楕円形の葉が5枚一組で、手のひら型に集まる。葉の付け根部分(=葉柄)が8~30センチほどの長さになるのが特徴。香りのよい新芽は代表的な山菜であり、天婦羅などにして食される。葉の出方は枝によって異なり、長い枝では互い違いに生じるが、短い枝では先端に密生する。
・秋には黄色または白銀色に変化し、周囲の黄葉とのコントラストが美しいため、観賞用として庭に植えることもある。
・黄葉は向こう側が透けて見えるような色合いであり、他の似たような木と見分けるのに役立つ。
・コシアブラの開花は8~9月頃で、淡い黄緑色の小花が円錐形状に集まって枝先に咲くが、多くの場合、高い位置にあるので観察は難しい。
・花の後には果実がなり、10~11月ごろになると黒紫色に熟し、先端には雌しべの柱頭が残る。果実には苦味があって食用にならないが、ツグミやヒヨドリはこれを目当てに集まる。
・樹高は最大で20m近くになるが、山道付近のものは山菜として芽摘みされるため、5m程度にとどまることが多い。樹皮は灰白色で、皮目と呼ばれる細かな点々があり、樹齢を重ねると樹皮が剥離して黒光りする。材は箸や爪楊枝、マッチの軸に使われる。
【コシアブラの育て方のポイント】
・いわゆる陽樹であり、日向を好む。
・丈夫な性質を持ち、剪定にも耐えるが、樹形は奔放で整いにくい。剪定するほど樹形は乱れるのが普通。広い場所に単独で植えて放置するのがよい。
【コシアブラに似ている木】
・ハリギリ
コシアブラの基本データ
【分類】ウコギ科/コシアブラ属
落葉広葉 高木
【漢字】漉し油/濾し油
【別名】ゴンゼツノキ/ゴンゼツ
【学名】Chengiopanax
sciadophylloides
【英名】Koshi-abura tree
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】5~18m
【用途】山菜/器具材
【値段】1500円~