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クロヤナギ/くろやなぎ/黒柳
Black pussy willow
【クロヤナギとは】
・ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で、どこにでも見られるネコヤナギの突然変異と考えられている。芸能人の名前としては有名だが、木としては観賞用(特に生け花用)として植栽されているのみであり、野生のものは発見されていない。雌雄異株だが雌株がなく、雄株のみが出回っているという特徴を持つ。
・性質や外観はネコヤナギとほぼ同様であり、枝や樹皮が黒いわけではない。若い枝はネコヤナギと同じように赤く、年月を経た枝や樹皮は白っぽい。花の時期には切り枝が生け花用に流通し、保守的な生け花から現代的な生け花まで幅広く重宝される。
・クロヤナギという名前は花序の色によるもの。花期は2月下旬~4月で、花が咲く前の花序は全体が黒い。開花すると目立ってくる紅色の部分は、二本の雄しべが合体して一本になったもので、その先端に見える黄色いのは花粉。
・クロヤナギの樹皮や根を乾燥させたものは漢方薬に使われ、鎮痛、解熱に効果があるという。また、クロヤナギの樹皮から採取したエキスには、角質除去を促進する天然のサリチル酸が含まれ、化粧水の原料に使われる。
・シベリアや北海道に見られるケショウヤナギにはクロヤナギという別名がある。化粧水との関連で混乱するが、両者に直接的な関連はない。また、ケショウヤナギは年を経ると樹皮が黒味を帯びてくるから話はややこしい。
【クロヤマギの育て方のポイント】
・暑さ寒さに強く、日本全国に植栽できる。乾燥にも耐え、土質も選ばない。
・あまり大きくならないため、剪定は花の後に樹形を乱す枝を元から取り除く程度でよい。
・挿し木で増やすのが一般的。2~3月上旬に前年(あるいは前々年)の枝を20~30センチの長さで切り、湿った土地に挿す。
【クロヤナギに似ている木】
クロヤナギに比べると葉や枝に毛が多く、葉の縁のギザギザが小さい。
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クロヤナギの基本データ
【分類】ヤナギ科/ヤナギ属
落葉広葉/低木
【漢字】黒柳(くろやなぎ)
【別名】クロメヤナギ
【学名】Salix gracilistyla
var.melanostachys
【英名】Black pussy willow
【成長】かなり早い
【移植】普通
【高さ】1~2m
【用途】切り花
【値段】800円~