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クサボケ/くさぼけ/草木瓜
Japanese quince
【クサボケとは】
・本州中南部、四国及び九州の山野に見られるバラ科の落葉低木。枝が上へと伸びて樹高が2mほどになるボケとは異なり、枝が横に広がって草状に立ち上がるため、あるいは中国から渡来したボケとは異なる日本固有の地物であることを強調してクサボケと呼ばれる。
・クサボケの開花は3~5月で、葉の展開と同時に葉の脇に2~3輪ずつ咲く。直径3センチほどの五弁花でボケよりも一回り小さいが、花だけで見分けるのは難しい。5本の雌しべと50本前後の雄しべがあるが、花には雄花と両性花があり、両性花では花の基部にある子房が膨らんでいる。
・花は一重の朱色が基本だが、八重咲き種や黄色、白の花が咲く品種(変種)もある。平地ではバラのように秋にも開花、結実することが多く、9月頃には花と実を同時に見ることができる。
・10~12月頃にカリンを小さくしたような実が黄色く熟す。直径は3~4センチで樹高の割に大きいため目立つ。一見すると果物のようだが、堅くて非常に酸っぱいため生では食べられない。地方によってはこの果実を地梨子と呼ぶ。
・未熟な果実を漬けた果実酒は香りが高く、果実酒の王者とも評される。別名「シドミ」は酸っぱい実を意味する「酸ドミ」が転訛したもの。果実にはリンゴ酸を多く含んでおり、漢方では乾燥させたクサボケの青い実を「和木瓜(わもっか)」と呼び、強壮、鎮痙、鎮咳、利尿に効果があるとされる。
・葉は歪んだ卵形で縁には浅いギザギザがあり、両面とも無毛。枝は地面を這うか、斜上して繁茂し、小枝にトゲを生じる。
・地方によってはヒガンバナと同じように、クサボケを家の庭に植えると火事を招くとする俗説がある。観賞価値や実用性が高い割には庭に用いられることは少なく、ボケも同様に忌み嫌われることがあるが、クサボケは盆栽に使われることも。
【クサボケの育て方のポイント】
・自生地は日当たりの良い草むらなどであり、日向でなければ開花しない。性質は強く、植え付け後、3年程度で開花する。
・基本的には砂質の土壌を好むが丈夫であり、土質を選ばずに育つ。病害虫にも強い。
・地下茎で増えるため周囲に広がって群生するかのように育つ。刈り込むことはできる。
・細根が乏しくて移植は難しいが、挿し木や播種で簡単に増やすことができる。
・枝に棘があるため剪定や周囲の除草がしにくく、管理にやや手間がかかる。
【クサボケとボケの違い】
・クサボケは背丈は60センチ以下のものが多い。
・クサボケは枝の棘が目立つ。
【クサボケの品種】
四季咲きかつ矮性の品種で盆栽として人気が高い。
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クサボケの基本データ
【分類】バラ科/ボケ属
落葉広葉/低木
【漢字】草木瓜(くさぼけ)
【別名】シドミ/ノボケ
ヤマボケ/コボケ
ジナシ(地梨)/タケウメ
【学名】Chaenomeles japonica
【英名】Japanese quince
【成長】早い
【移植】困難
【高さ】0.3~1m
【用途】鉢植え/盆栽/庭園
【値段】800円~