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クロマメノキ/くろまめのき/黒豆の木
Bog bilberry
【クロマメノキとは】
・北海道~中部以北の本州に分布するツツジ科の落葉樹。秋にブルーベリーのような黒豆大の果実がなるためクロマメノキと名付けられた。日本での自生は亜高山帯の岩櫟地や湿地に限られるが、近縁種は北半球の寒帯に広く分布する。
・クロマメノキの開花は夏(6~7月)で、前年に伸びた枝葉の脇や枝先に、白~ピンク色をした壺型の花が1~2輪ずつ咲く。花冠は長さ5ミリほどで浅く五つに裂けるが合弁花で、各裂片は反り返る。花の中心には雌しべが1本あり、その周囲を10本の雄しべが囲んでおり、裏側の萼は4~5つに浅く裂けて果実期になっても残存する。
・果実は直径6~15ミリの球形で、8~9月になると黒紫色に熟すと表面に白い粉を吹く。クロマメノキの果実はブルーベリー同様に美味しい上、アンチエイジングに効果があるとされるアントシアニンを含んでおり、生食、ジャム、果実酒として利用される。長野県では浅間山の一帯に多いため、「浅間ブドウ」、群馬県の草津周辺では「白根葡萄」して土産物になっている。
・葉の大きさは環境による変異が大きものの、長さ15~25ミリほどの歪んだ卵形となり、枝から互い違いに生じる。縁にギザギザはなく裏面は粉を吹き、網状の脈が目立つ。北アルプスと浅間山麓だけに生息する蝶、ミヤマモンキチョウは国の天然記念物に指定されているが、その幼虫はこれを食餌としている。
・枝は分岐が多いものの横方向へ広がりやすく、樹高は30~60センチほどにとどまる。幹は褐色で直径は最大でも2~3センチほど。
【クロマメノキの育て方】
・寒さに強いが高温多湿に弱く、都市部では夏の厳しい暑さで傷みやすい。自生地では綺麗に紅葉するが、低地では難しい。
・基本的に丈夫な性質を持ち、土質を選ばずに育つ。
・半日蔭でも耐えられるが、花や実を十分に楽しむには日向に限る。
・剪定は花の直後、遅くとも夏までに限るが、樹形を大きく乱すような枝が発生した場合は適宜、根元から切り除く。
【クロマメノキに似た植物】
・クロウスゴ
葉が大きな楕円形で、果実の頂部にくぼみがある。花は白~淡い黄緑色。
・スノキ
・ナツハゼ
・ウスノキ
・アクシバ
・コケモモ
クロマメノキの基本データ
【分類】ツツジ科/スノキ属
落葉広葉/低木
【学名】Vaccinium uliginosum
var. japonicum
【別名】アサマブドウ
アサマベリー
シラネブドウ
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】0.1~1m
【用途】果樹/鉢植え
【値段】1500円~