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キンロバイ/きんろばい/金露梅
Bush cinquefoil
【キンロバイとは】
・北海道(崕山、アポイ岳)及び中部以北の本州の高山帯(南アルプス、早池峰山、谷川岳、八ヶ岳、至仏山など)に自生するバラ科の落葉低木。夏から秋にかけてウメに似た艶のある黄色い花を咲かせるため、キンロバイ(金露梅)と名付けられた。日本以外でもアジアの東北部、中国、ヒマラヤに分布する。
・開花は6~9月。直径2センチほどの花が1~3輪ずつ枝先に咲く。花は疎らだが比較的長い間、次々に咲くのが特徴。5枚ある花弁は長さ1センチほどの円形で、その内側には多数の雄しべと雌しべがある。花弁は黄色が基本だが、園芸品種には赤やピンクのものもある。
・花の後にできる果実は長さ1.5ミリほどの卵形。淡い褐色の長毛が密生し光沢がある。
・葉は1~3対の小葉が羽根状に集まる。小葉は長さ1~2センチの長い楕円形。葉の表面は濃緑色で裏面は淡い緑色。両面に褐色の毛を生じ、縁にギザギザはない。茎にも毛が目立ち、個体によっては葉柄にヒレ状の翼がある。
・幹や枝は褐色で樹皮は薄く剥離し、枝分かれが多い。風の強い場所では背丈が低く、草のようになるが、平地では画像のような幹となり、くねくねしながら斜上して育つ。
【キンロバイの育て方のポイント】
・自生は高山の岩石地だが、平地でも育つ。ただし、夏の高温や乾燥に弱いため、植栽の場所や水やりには配慮する必要がある。
・風通しのよい日向を好み、日陰地では花付きが悪い。
・自然な樹形を観賞するのが基本だが、盆栽にできるほど剪定には強い。剪定の時期は花後。
【キンロバイの品種】
・ハクロバイ
白い花が咲く品種で、ギンロバイ(銀露梅)ともいう。東日本よりも西日本に多い。
【キンロバイに似た花木】
・マンサク
マンサク科の落葉樹で早春に黄色い花を咲かせる。本種との関連はないが、別名をキンロウバイといい、紛らわしい。
本種と同じように、夏にウメに似た黄色い花を咲かせるが、こちらも名前が似るだけで、分類上の関連はない。
キンロバイの基本データ
【分類】バラ科 キンロバイ属
落葉広葉 低木
【漢字】金露梅(きんろばい)
【別名】キンロウバイ/キンルバイ
ポテンティラ
【学名】Potentilla fruticosa
【英名】Bush cinquefoil
【成長】やや遅い
【移植】簡単
【高さ】0.3~1m
【用途】庭園/盆栽/ロックガーデン
【値段】600円~