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カンザクラ/かんざくら/寒桜
Kanzakura cherry tree
【カンザクラとは】
・カンヒザクラとヤマザクラ系統のサトザクラ(あるいはハヤザキオオシマ)の雑種とされるバラ科の落葉広葉樹。江戸時代後期から観賞用として植栽される。
・名所である静岡県熱海市付近では寒中(1月中旬)に咲くため、カンザクラと名付けられた。ただし、カンヒザクラを片親とする早咲きのサクラ全般をカンザクラという場合もあって混乱しやすい。
・秋季からポツポツと咲き続けるフユザクラやジュウガツザクラを除けば、春一番に咲くサクラであり、カンザクラの一品種ともされるカワヅザクラやオオカンザクラを含めて話題になりやすい。
・カンザクラとはいうものの上記のフユザクラなどに比べれば寒さに弱い。開花時期は気候によって大きく変動し、12月中に咲く年もあれば、3月にずれ込んで葉の展開と同時に咲く年もある。
・花はやや小さめの一重で、直径は2.5~3.5センチほど。蕾は濃いピンク色だが花は淡いピンク色になる。5枚ある花弁は丸く、縁にいくほど濃いピンク色になる。花の付け根部分が画像のように赤いのが特徴。カンザクラの花は蜜が多いため、蜂などの昆虫やムクドリなどの野鳥がよく集まる。花の後には稀に実(サクランボ)ができる。
・葉はヤマザクラと同じように花と同時あるいは少し遅れて展開する。厚めの革質で先端が急に尖り、縁にはギザギザがある。長さは4~12センチほどで、幅は6センチほど。葉は枝から互い違いに生じる。
・樹皮は黒っぽい灰色で横に筋が入り、樹齢を重ねるとコブができやすい。
【カンザクラの育て方のポイント】
・扱いは他のサクラ類と同様だが、カンザクラという割には寒さに弱く、庭植えで扱えるのは関東地方よりも南となる。落葉は早く、初秋と言わず晩夏に葉を落とすことがあり驚かされるが特に対策を施す必要はない。
・樹形は半球形に育つのが普通。樹齢を重ねると高木になるが、剪定は必要最低限にとどめたい。このため植栽には相応のスペースが必要となる。
【カンザクラに似た木】
・ツバキカンザクラ
花のピンク色が濃い品種
カンザクラの基本データ
【分類】バラ科/サクラ属
落葉広葉/小高木
【漢字】寒桜(かんざくら)
【別名】アタミザクラ
アタミカンザクラ
ガンジツザクラ(元日桜)
【学名】Prunus×kanzakura
【英名】Kanzakura cherry tree
【成長】やや早い
【移植】やや難しい
【高さ】3~6m
【用途】庭園/公園
【値段】3、000円~