庭木図鑑 植木ペディア > カラコギカエデ
カラコギカエデ/からこぎかえで/唐子木楓
Amur Maple
【カラコギカエデとは】
・北海道から九州までの広い範囲に見られる国産のカエデ。地方名を「ヤチイタヤ」といい、低山や丘陵の湿地(=ヤチ)により多く見られる。
・従来は庭木としてはあまり使われていなかったが、環境が良ければ鮮やかに紅葉するため、雑木を中心とした庭作りなどで積極的に使われるようになってきた。
・「カラコギ」とは「鹿の子木」が訛った言葉で、月日が経つと樹皮が部分的に剥離し、鹿の子供のように見えることによる。
・葉は枝から対になって生じ、卵形あるいは3~5つに裂ける。葉柄や若い枝が赤味を帯びるのが特徴で、特に春先は遠目からも分かるほどる赤味が目立つ。
・カラコギカエデの開花は5~6月で葉が開いた後。枝先から伸びた円錐型の花序に黄緑色の花を咲かせる。雌雄同株で花には雄花と両性花があり、両性花の後には翼のある緑色の種子ができる、翼はほぼ並行して生じるのが特徴。8~10月になると褐色に熟す。
・現在は鑑賞用に植えられているが、カラコギカエデは生活の役に立つ「有用樹」であり、材木としてはもちろんのこと、枝葉は染料に、樹皮は製紙用に、葉は茶や目薬に使われた。
【カラコギカエデの育て方のポイント】
・自生は湿原に多く、湿気の多い場所を好む。
・土を選ばず丈夫に育つ。
・全国に植栽可能だが、中部以北の寒冷地がより良い。
・日向を好むが日陰でも耐える。ただし、日陰の場合は紅葉が見苦しくなる。
【カラコギカエデの品種】
・クワガタカラコギカエデ
朝鮮半島に見られる変種で、葉の形が桑に似る。
【カラコギカエデに似た木】
・カゴノキ
姿形はまったく異なるが、カラコギカエデと同じ理由で命名された常緑広葉樹。
|
カラコギカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科 カエデ属
落葉広葉/小高木
【漢字】─(からこぎかえで)
【別名】ヤチイタヤ
【学名】Acer tataricum
ssp. aidzuense
【英名】Amur Maple
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】5~12m
【用途】公園
【値段】1000円~