庭木図鑑 植木ペディア > カナウツギ
カナウツギ/かなうつぎ/棓空木
Kanautsugi tree
【カナウツギとは】
・秋田県以南~近畿以東の本州に分布するバラ科の落葉低木。コゴメウツギに似た落葉低木で、富士山や箱根付近の山地に多いが、関東を中心とした低地の公園や緑地などにも見られる。
・開花は5~6月頃で、その年に伸びた新しい枝の先に、直径5ミリほどの小さな花が円錐状に集まって咲く。花色は白で、1本の雌しべを20~25本の雄しべが取り囲む。花弁は5枚だが、その裏側にある5個の萼片と合わさって、10枚の花弁があるように見える。萼片の先端は丸みを帯びる。
・花の集り(花序)はコゴメウツギよりも大きいが、花数はまばら。一般的な花木に比べれば花は目立たず、観賞目的の植栽は少ない。
・花の後にできる果実は楕円形の袋状で、細かな毛に覆われる。内部には卵形の種子があり、8~10月頃になると褐色に熟す。
・葉は長さ5~11センチでコゴメウツギよりも大きい。三角形に近い卵形で、葉の縁は大きく三つに裂けるか、不規則のギザギザが目立つようになる。先端が鋭く尖り、表面に毛はないが、裏面には細かな毛を生じる。葉の付け根に長さ1センチほどの托葉があるのが特徴。
・幹や枝は細長く、幹は弓なりに、枝はジグザグに伸びる。地面に接した枝から根を生じる性質を持ち、これが新たな株となって繁殖する。
・若い枝は赤褐色だが、樹齢を重ねるとメタリックな赤銅色になる。管理人はこの金属質な樹皮が名の由来だと思い込んでいたが、機織りの用語で「細い」を意味する「かな」に由来するという。
【カナウツギの育て方のポイント】
・日向を好むが半日陰程度なら問題なく育つ。
・丈夫な性質を持ち、ほとんど手をかける必要はないが、放置すると繁茂し過ぎるため、数年に一度、株全体を地際で切り取って更新するとよい。また、剪定に強いため、花の直後に好きな場所で刈り込むこともできる。
【カナウツギに似ている木】
・ヤマブキ
カナウツギの基本データ
【分類】バラ科/コゴメウツギ属
落葉広葉/低木
【漢字】棓空木/金空木(かなうつぎ)
【別名】ヤマドウシン/カナギ
【学名】Stephanandra tanakae
【英名】Kanautsugi tree
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】庭園/公園
【値段】1,000円~