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カジノキ/かじのき/梶の木
Paper mulberry
【カジノキとは】
・中国を原産とするクワ科コウゾ属の落葉高木。コウゾやヒメコウゾと同様、樹皮を和紙、縄、布等の材料とするため日本へ渡来し、各地で栽培されていたものが野生化した。現在では中南部以西の本州、四国及び九州に分布。海外でも東南アジアやイースター島にかけた地域に広く見られる。
・カジノキは「神に捧げる木」として神社の境内に植えられたり、七夕の飾り(短冊)として宮中で使われたりと神事との関連が深い。七夕にカジノキの葉を使うのは、古い時代の中国でこの日に習字の上達を願ったという風習に由来する。漢字表記は梶のほかに楮、溝、殻など。
・古名は「カジ」で名の由来には諸説あるが、紙の素材であることを意味する「カミソ」が転訛したものとする説が有力で、「火事」や「家事」とは関係がない。コウゾの古名は「カゾ(紙麻)」で、これもカミソに由来するとされる。
・葉は厚手で枝から互い違いに生じ、葉先は尖る。形にはバリエーションがあり、一本の木の中でも卵形、ハート型、3~5つに裂けるものなどがあり、一部の葉を見ただけでは判別しにくい。葉は毛で覆われるため触るとザラザラし、裏面の葉脈付近は特に短毛が多い。
・カジノキの開花期は5~6月。花はその年に伸びた葉の脇に咲くが、雌雄異株であり、雌花と雄花は全く様子が異なる。雄株に咲く雄花の花序(花の集り)は、円筒形の黄緑色で細長く垂れ下がり、小花それぞれに4枚の小さな花弁と、4本の雄しべがある。
・雌株に咲く雌花は画像のような球状で、1本の雌しべがある。雌花の後には果実ができ、7~9月になるとオレンジ色に熟せば甘味があっておいしい。
【カジノキの育て方のポイント】
・土質を選ばず丈夫に育つが、日向を好む。
・暑さ寒さに強く、日本全国に植栽できるが、寒さの厳しい地方では実がなりにくい。
【カジノキに似た木】
・コウゾ
ヒメコウゾとカジノキの雑種で、カジノキに比べて葉も果実も小さい。これらは各地で野生化して入り混じり、見分けがつきにくい。なお、コウゾの学名は「B.Kajinoki」であり、ややこしい。
キイチゴの仲間で、葉が本種の若葉に似る。
モミジの仲間だが、これも若葉がカジカエデに似るとして名付けられた。
カジノキの基本データ
【分類】クワ科/コウゾ属
落葉広葉/高木
【漢字】梶の木(かじのき)
【別名】カジ/コウ
【学名】Broussonetia
papyrifera
【英名】Paper mulberry
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】4~15m
【用途】七夕飾り/公園/切花
【値段】800円~