庭木図鑑 植木ペディア > カジカエデ
カジカエデ/かじかえで/梶楓
Horned Maple
【カジカエデとは】
・宮城県以南の本州、四国及び九州に分布するムクロジ科の落葉高木。山地の谷沿いに自生するカエデの仲間だが、カクレミノやプラタナスを思わせるような大きな葉を持ち、別名をオニモミジという。日本固有のモミジであり、外国に自生は見られない。
・東京近郊の紅葉の名所である高尾山でもイロハモミジなどとともに本種を観賞できる。
・葉は長さ6~15センチで長い柄があり、縁には粗いギザギザが目立つ。五つに裂ける葉の様子が、クワの仲間であるカジノキの若葉に似るため、カジカエデと名付けられた。秋に黄葉するが暖地ではあまり綺麗にならない。
・雌雄異株で、4~5月になると雌株には雌花が、雄株には雄花がそれぞれ垂れ下がる。花には花弁と萼が5個ずつあり、雌花の後には翼のある果実ができる。雄花は雌花よりも数が多く、8本ある雄しべが花弁の外側に突き出す。
【カジカエデの育て方のポイント】
・大型の樹木であり庭に用いることは少ない。自然樹形を鑑賞するのが本来だが、整枝すれば個人庭でも維持できないことはない。ただし、枝ぶりは粗く、小さくまとめると樹形が整いにくい。
・他のカエデ同様、日向かつ肥沃な土地を好み、乾燥に弱い。美しい紅葉を見るには日向に植えるのがよい。
・寒さに比較的弱く、積雪の多い地方では生育が難しい。
【カジカエデの品種】
・永縞カジカエデ
葉に模様が入る品種
・アマミカジカエデ
奄美大島に分布するカジカエデの品種で、成葉の裏や柄、実に毛がなく、葉の雰囲気も異なる。個体数は少なく、絶滅が危惧されている。
【カジカエデに似ている木】
英名をシュガーメイプルといい、砂糖を採取するために植林されたが、北アメリカや韓国では街路樹として使われる。カナダ国旗の中央にデザインされている。
・セイヨウカジカエデ
ヨーロッパ中南部及び西アジアを原産とする品種で、欧米各地に街路樹や海岸の防風林として植栽される。樹皮は褐色で、葉のギザギザが鋭いのが特徴。葉の裏面が紫色になる変種もある。
・クロビイタヤ
北海道~中部地方に分布する日本固有のカエデ。カジカエデに似た葉を持つが鋸歯(葉の縁のギザギザ)が丸みを帯びる。個体数が少なく、絶滅が危惧されている。
カジカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科/カエデ属
落葉広葉/高木
【漢字】梶楓(かじかえで)
【別名】オニモミジ
【学名】Acer diabolicum
Blume ex K.Koch
【英名】Horned Maple
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】10~20m
【用途】公園
【値段】2000円~