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ブラシノキ/ぶらしのき/金宝樹
Scarlet bottlebrush
【ブラシノキとは】
・オーストラリアを原産とするフトモモ科の常緑樹。初夏に咲く花の形が、瓶を洗うブラシに似ているとしてブラシノキと名付けられた。一般的には近縁種のハナマキ(金宝樹)や、葉の形がマキ(ラカンマキあるいはイヌマキ)に似たマキバブラシノキを総称してブラシノキという。
・ブラシノキが日本へ渡来したのは明治時代中期のこと。花の観賞を目的として、暖地の庭木や鉢植え、生け花の花材として使われる。
・葉の形状や大きさは品種によるが、おおむね長さ3~10センチ、幅1センチ前後で細長く、枝から互い違いに生じる。中心の葉脈が目立ち、硬質だが葉を揉むと独特の香りがあるのが特徴。
・枝は灰褐色で分岐が多く、樹皮は樹齢を重ねるに従って剥離し、縦方向に皮目が現れる。
・ブラシノキの花期は5~6月で、その年に伸びた枝の先で穂状に咲く。長く伸びる赤いブラシの毛は雄しべで、先端には小さな黄色い葯がある。
・雄しべの基部には5つに分かれた萼と花弁があるが、これらは開花後すぐに剥落するため、雄しべが目立ってブラシのようになる。別名のカリステモンは本種の学術名であり、その意味は「美しい雄しべ」。花房全体の長さは5~10センチ程度。
・花の後には虫の卵のような果実がまとわりつくように生じる。乾いた木質の果実は内部に無数の種子を 含むが、成熟に時間を要し、2~3年の長期間にわたって枝に残る。
【ブラシノキの育て方のポイント】
・暖地の生まれであり耐寒性はない。植栽は関東南部以南の平地~低山となる。
・植え付けの場所は風の当たらない日向に限り、植穴には有機肥料を施すと花付きが良い。
・上部が重くなって倒れやすい木であるため、植栽時は必ず支柱を取り付ける。
・木が若いうちは開花しないが、一旦開花すると毎年咲くようになる。
・剪定を嫌うが、成長が遅いためその必要はほとんどない。
・実生、挿し木、取り木で増やすことができる。
【ブラシノキの品種】
・シロバナブラシノキ
雄しべがクリーム色の品種
・一才キンポウジュ
背丈が高くならない品種で、鉢植えなどに適する。
・このほか葉の形状によってホソバブラシノキ、マルバブラシノキなどと区別することがある。
ブラシノキの基本データ
【分類】フトモモ科 ブラシノキ属
常緑広葉 低木~高木
【漢字】金宝樹/金鳳樹
(きんぽうじゅ)
【別名】ブラッシノキ
カリステモン/ハナマキ
【学名】Callistemon sp.
【英名】Scarlet bottlebrush
【成長】やや遅い
【移植】困難
【高さ】2~12m
【用途】公園/寄せ植え/切り花
【価格】800円~