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クスノハカエデ/くすのはかえで/楠葉楓
Kusunoha kaede tree
【クスノハカエデとは】
・東アジア及び東南アジアに分布する常緑性のカエデ。野生の個体数は少なく絶滅が危惧されているが挿し木によって繁殖され、観葉植物「エバーグリーンメイプル」や「メイプルリーフ」として流通している。
・日本における天然の分布は沖縄、奄美諸島及びその周辺の島嶼に限られる。日向を好み、明るい林縁に育ち、名前のとおりクスノキに似た葉を持つためクスノハカエデと名付けられた。
・クスノハカエデの葉は長さ5~10センチの卵形。先端は細長く尖り、縁に切れ込みが入らないため、いわゆるカエデらしさはまったくないが、同じような例はトウカエデやチドリノキにも見られる。
・クスノキの葉に例えられるのは、本種の葉が薄い革質で、クスノキと同じように3本の葉脈が目立つため。
・新葉や成長の盛んな葉はクスノキと同じように赤み(あるいは黄色)を帯びるが、秋に紅葉することはなく、一年を通じて緑色を保つ。葉の裏側は灰白色で、風になびくと白さが目立つ。
・クスノハカエデの開花は3~5月。雌雄同株で白あるいはクリーム色をした小さな花がまばらに集まって咲く。
・花の後にできる種子は長さ1.5~2センチのプロペラ状。イロハカエデなどに似ており、熟すと黄褐色になる。
・若い木の樹皮は緑色だが、樹齢を重ねると黒褐色になり、縦に裂け目が入る。
【クスノハカエデの育て方のポイント】
・暑さ寒さに耐え本州でも栽培可能だが、基本的には亜熱帯性であり、最低気温が5℃を下回る場所では冬季に葉が見苦しくなる。
・枝が柔らかく積雪の被害を受けやすいため、鉢植えで管理した方が無難である。
・日向を好むが耐陰性もあり、半日陰程度なら十分に育つ。
・自生は石灰岩地帯に多く、石灰岩質の土壌を好むが、適応力はある。
・病害虫には比較的強いが、ゴマダラカミキリなどの被害に遭うこともある。
クスノハカエデの基本データ
【分類】ムクロジ科 カエデ属
常緑広葉 高木
【漢字】楠葉楓(くすのはかえで)
【別名】マミク/マモク
エバーグリーンメイプル
チャイニーズメイプル
メイプルリーフツリー
【学名】Acer oblongum Wall.subsp.
itoanum(Hayata) Hatus.
【英名】Kusunoha kaede tree
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】8~15m
【用途】鉢植え
【値段】1500円~