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ギョリュウバイ/ぎょりゅうばい/御柳梅
New Zealand tea tree
【ギョリュウバイとは】
・オセアニア(オーストラリア東南部、タスマニア及びニュージーランド)を原産とするフトモモ科の常緑低木。世界各地で栽培されるが日本には戦後に渡来し、花を観賞するため庭木や鉢植として植栽される。
・ギョリュウバイという名は、葉が中国原産のギョリュウに似て、ウメのような花を咲かせることによるが、実際はさほど両者に似ているわけではない。漢字表記は「御柳梅」または「檉柳梅」で、柳も檉もヤナギを意味し、ギョリュウが持つヤナギのような雰囲気に由来する。
・ニュージーランドではマヌカといい、本種を蜜源として作られるマヌカハニーは病原性微生物に対する抗菌作用が高い。このため腸内環境を整える健康食品、あるいは美容液として注目されている。
・ギョリュウバイの葉は長さ1.5センチほどの薄い線形。質は硬く、枝から互い違いに生じる。葉の縁にギザギザはなく、裏面には絹毛を生じる。
・葉には薬効があり、原産地では葉をお茶にして飲む習慣があるため英名をティーツリーという。別名ネズモドキはネズに由来し、葉の雰囲気が似ることによる。枝は赤褐色で柔らかく、箒状に多数生じるためリース状にして装飾に使うことがある。
・花は直径1~2センチの五弁花だが、品種によって八重咲きやピンク、赤、白花など多様。花の後には小さくて細長い種子ができ、これが学名の由来となっている。
・ギョリュウバイの開花は5~6月だが、気温5℃以上の日が続けば11~1月でも咲き、鉢植えとして屋内で管理した場合にはさらに不規則となる。
・幹は株立ち状になり、枝葉が茂って鬱蒼となりやすい。日本では樹高2mほどだが、原産地では10mにも達する。
【ギョリュウバイの育て方のポイント】
・日当たりと水はけの良い場所を好む。暖かい国の原産だが耐寒性があり、関東以西であれば地植えできる。
・枝葉が鬱蒼としやすいため、定期的に剪定する必要がある。剪定の適期は花の直後だが、樹形は整えにくく、また、小枝に棘を生じるため留意する必要がある。
【ギョリュウバイの品種】
レッドダマスグ、ニコルシイ、チャップマンニイ、スコパリウムなど多様な品種がある。
ギョリュウバイの基本データ
【分類】フトモモ科/ギョリュウバイ属
常緑広葉/低木
【漢字】御柳梅(ぎょりゅうばい)
【別名】ティーツリー/ネズモドキ
ニュージーランドティーツリー
レプトスペルムム/マヌカ
【学名】Leptospermum scoparium
【英名】New Zealand tea tree
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】1~4m
【用途】公園/切花/鉢植え
【値段】800円~