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キシュウミカン/きしゅうみかん/紀州蜜柑
Japanese Kisyu Orange
【キシュウミカンとは】
・日本で最も古くから育てられているミカン科の常緑高木。日本に自生していたとする説もあるが、中国南部(浙江省及び長江一帯)に産するミカンを起源とする説が有力。
・キシュウミカンが渡来したのは鎌倉時代で、始めは熊本県の八代付近で栽培されていたが、和歌山県有田の伊藤孫右衛門が苗木を持ち帰って改良し、大々的に栽培したためキシュウミカンと呼ばれるようになった。
・普段我々が口にするウンシュウミカンに比べると小粒かつ種が多いため、現代では正月飾りに使うダイダイのような存在だが、江戸~明治時代中頃まではキシュウミカンが食用ミカンの代表種であった。
・紀州産のウンシュウミカンがキシュウミカンと名乗って流通しているため混乱するが、紀伊国屋文左衛門らが嵐の中、蜜柑船で江戸へ運んで財を成したというのはこちらのキシュウミカン。近年、農研機構が研究の結果、本種をウンシュウミカンの片親と推定している。
・12月に熟す果実は重さ30~50グラム、直径5センチ程度で、ウンシュウミカンの半分ほどにしかならない。果皮は薄くて剥きやすく、香りが高い。果肉は柔らかで果汁が多く、酸味は少ない。乾燥させた皮は「陳皮(ちんぴ)」と呼び、七味唐辛子の材料になる。
・古い時代には、種のない果物を食べると家系が途絶えるとして嫌われたが、キシュウミカンには房ごとに5~6個の種子があるため、ウンシュウミカンよりも受け入れられた。
・葉はウンシュウミカンよりも小さく、長い卵形になる。枝葉は密生し、よく繁茂する。丈夫な性質を持ち、成長は遅いながらも樹齢が長く、樹齢600~800年の古木もある。
【キシュウミカンの育て方のポイント】
・開花や結実には日照が不可欠であり、日陰ではうまく育たない。
・ミカンとしては低温地で栽培されるが、栽培の北限は神奈川や千葉あたりになる。
・順応性は高く、土質を選ばずに育つが、植穴に鶏糞や腐葉土などの有機肥料を施すとさらによい。
・自家受粉するため複数植える、他の品種を植える等の必要はない。
【キシュウミカンの品種】
・ムカクキシュウ
「無核紀州」であり、種がない。
・ヒラキシュウ(平紀州)
果実が大きく扁平している。
キシュウミカンの基本データ
【分類】ミカン科/ミカン属
常緑広葉/低木
【漢字】紀州蜜柑(きしゅうみかん)
【別名】コミカン/タチバナ
コウジミカン
サクラジマコミカン
キノクニミカン/ホンミカン
【学名】Citrus kinokuni
【英名】Japanese Kisyu Orange
【成長】遅い
【移植】普通
【高さ】2m~5m
【用途】果樹
【値段】1,200円~