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モチツツジ/もちつつじ/餅躑躅
Mochi tsutsuji(Macrosepalum)
【モチツツジとは】
・伊豆半島以西の本州及び四国に分布する日本固有のツツジで、林の縁や崖など日当たりの良い場所に自生する。葉や茎がネバネバし、触れると指が貼り付くことから、餅あるいは鳥もち(黐)に擬えてモチツツジと名付けられた。ヒラドツツジなど多くの園芸品種の母種となる。
・モチツツジの葉や蕾がネバネバするのは、これらに生じる腺毛から粘液が出ているため。これは葉茎に限らず、花の付け根、萼、子房、果実なども同様で、虫の攻撃から身を守る。
・モチツツジの開花は4~5月で新葉の展開と同時。枝先に2~3輪ずつ紅紫の花を咲かせる。花は漏斗型で直径5~6センチほど。雌しべ1本、雄しべ5本で花先は深く五つに裂け、上部の裂片に濃いピンク色の斑紋がある。
・花の後には乾いた果実ができ、8~10月に熟すと自然に裂けて、中から種子を出す。
・モチツツジの葉は楕円形で両端が尖る。枝先に集まるが、枝から互い違いに生じている。葉の形や長さは季節によって変わり、春の葉は長さ4~8センチ、夏の葉は3~5センチでやや小さい。また、常緑性だが冬芽付近の葉以外は紅葉後に落葉する。
【モチツツジの育て方のポイント】
・暖かい場所を好むツツジであり、地植えの場合は北関東が北限となる。環境が合う場所であれば丈夫に育つ。
・株が大きくなると葉が茂るようになるため、定期的に剪定し、樹高と繁茂を防ぎたい。自然樹形をいかすため、枝を透かすような剪定が望ましい。
【モチツツジに似ている木】
モチツツジより西(九州等)の川原などに分布するツツジ。花はよく似るが雄しべが10本ある。
【モチツツジの変種及び品種】
・アワノモチツツジ(阿波の餅躑躅)
花弁が丸みを帯び、縁が波打つ変種
・シロバナモチツツジ
文字どおり白い花が咲く自生種で、シラツツジともいう。画像では確認しにくいが、花弁の一部に緑色の模様が入る。
・花車(はなぐるま)
江戸時代から伝わるモチツツジの品種で、赤紫色の鮮やかな花弁は風車のように深く裂ける。
・青海波(せいかいは)
これも江戸時代から伝わる品種で、花車と同じように花弁が深く裂けるが、花弁はより細く、葉も似たような形状になる。「青崖(せいがい)」とも呼ばれる。
・このほかモチツツジには「銀摩」「胡蝶揃」「星車」「天が下」「手牡丹」「金孔雀」などの品種があり多様な花を咲かせる。また、葉に模様が入る斑入りモチツツジもある。
モチツツジの基本データ
【分類】ツツジ科/ツツジ属
常緑広葉(半常緑)/低木
【漢字】餅躑躅/黐躑躅(もちつつじ)
【別名】ビロードツツジ/ネバツツジ
スルガマンヨウ/イワツツジ
【学名】Rhododendron macrosepalum
【英名】Mochi tsutsuji(Macrosepalum)
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】1~2m
【用途】花木/植え込み/鉢植え/花材
【値段】800円~