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ブッソウゲ/ぶっそうげ/仏桑花
Chinese hibiscus
【ブッソウゲとは】
・熱帯及び亜熱帯に自生するアオイ科フヨウ属の常緑低木。日本では沖縄、九州南部、伊豆諸島南部、小笠原諸島に分布し、江戸時代の慶弔年間以降に本州での栽培が始まった。ハワイを代表する植物「ハイビスカス」の原種の一つで、南国風の花を観賞するため、自生地以外でも温室等で栽培される。
・学名Hibiscus rosa-shinensisは「中国のバラ」を意味し、西洋人が中国で発見したことによる。中国南部~東インドを原産地とする説もあるが栽培品だった可能性もあり、正確な原産地は分かっていない。インド洋諸島~東アフリカで成立した雑種植物とする説もある。
・ブッソウゲという名は、中国名「扶桑」に由来する。扶桑は「日本」を意味する言葉でもあり、混乱を避けるためか「花」を付け加え、これを音読みしてブッソウゲとなった。沖縄ではアカハナー(赤花)あるいはグソーバナ(後世花)といい、後者は本種を仏花として墓前に供えることによる。
・「ハイビスカス」は本種を含めた総称。ハワイなどで改良が進んだ結果、品種は5、000にも上るが、ハワイアン系、コーラル系、オールド系に大別される。
・葉は長さ4~12センチ、幅3~7センチほどの卵形で、縁には粗いギザギザがある。表面は濃緑色で金属質の光沢があり、名前に示されるようにクワの葉に似る。両面とも無毛だが、裏面はやや白っぽい。
・ブッソウゲの開花は7~10月だが、熱帯地方や温室では年間を通じて開花する。花の直径は10~15センチで5枚ある花弁の縁は先が裂けて反り返ったようになる。花は鮮やかな赤の一重が基本だが、品種改良が進んでおり、白、ピンク、黄色、オレンジ色の一重、半八重、八重咲きがある。花は枝先近くにある葉の脇から次々に咲いていく。
・花の中央に突き出るのは雌しべと雄しべが合体したもの。黄色く見えるのが雄しべの葯で、先端にある赤いものは、柱頭が五つに裂けた雌しべ。また、花の裏側にある萼は筒状で、これも五つに裂ける。花の後には長さ2センチほどの乾いた果実ができる。
【ブッソウゲの育て方のポイント】
・常緑性だが、最低気温が10℃を下回る地域や冬季に霜の降りる地域では屋外で越冬できない。自生地以外では鉢植えとして温室や屋内で管理するのが一般的。
・日当たりと排水のよい場所を好む。
・花はその年に伸びた枝に咲くため、剪定は花の後に行う。
・結実は稀であり、繁殖は挿し木によることが多い。
【ブッソウゲの品種】
・フウリンブッソウゲ
熱帯アフリカを原産とする品種で、花は垂れ下がって咲き、花弁の先が細かく裂ける。葉の幅は本種よりも狭い。
【ブッソウゲに似た花】
・フヨウ
・ムクゲ
・ハマボウ
ブッソウゲの基本データ
【分類】アオイ科/フヨウ属
常緑広葉/低木
【別名】ハイビスカス/アカハナ
リュウキュウムクゲ
【漢字】仏桑花/扶桑花
【別名】ハイビスカス/ヒビスカス
リュウキュウムクゲ
【学名】Hibiscus
rosa-sinensis
【英名】Chinese hibiscus
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】2~5m
【用途】花木/鉢植え/温室
【値段】1500円~