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ヒメクチナシ/ひめくちなし/姫梔子
Small gardenia
【ヒメクチナシとは】
・中国を原産とするアカネ科の常緑低木。近年では「ガーデニア」と呼ばれ、初夏に咲く花の観賞用や、地を這うように横に広がる枝の性質を利用したグランドカバーとして、鉢植えや庭木に使われる。
・クチナシの変種であり、全体に小ぶりであるためヒメクチナシと名付けられ、コクチナシという別名もある。ただし、ヒメクチナシとコクチナシを別物とし、より小さなものをヒメクチナシとする場合もあるが、その見分け方は難しい。
・ヒメクチナシの葉は長さ3~8センチ、幅1~2センチで、クチナシの3分の1程度の大きさに過ぎない。節間は短く、横へ這うように多数が枝分かれし、節から根を発生する。この性質を利用して挿し木によって容易に増やすことができる。
・ヒメクチナシの開花は6~7月頃で、直径3~5センチほどの白い花を枝先に咲かせる。花冠(花弁のようなもの)は5~7つに裂け、クチナシ同様のジャスミンに似た濃密な芳香がある。
・花が一重咲きのヒトエノコクチナシが基本だが、八重咲きの品種もある。なお、クチナシの花は江戸時代の文政年間に隆盛を極め、多い時には40を超える品種があったという。
・花の後にできる果実は直径1センチほどと小さいが、色形はクチナシと相違ない。着色料や食紅として使うこともできるが、実が小さくて効率が悪いためクチナシほど一般的ではない。
【ヒメクチナシの育て方のポイント】
・本来は日向を好むが、クチナシよりも樹高が低いため高木の下草として使うこともできる。また、グランドカバーとしては狭い面積の地被に適し、岩組(ロックガーデン)に使いやすい。
・植栽の適地は東北地方の沿海~九州だが、耐寒性はやや乏しく、霜の降りる土地や寒さの厳しい冬には葉が著しく黄変する。
・基本的には土質を選ばず、丈夫に育つが、湿気の多い場所がよい。
・葉が小さく切り口が目立たないため、刈り込みばさみで大雑把に刈り込んで管理することができる。剪定の適期は花の直後。
・オオスカシバというスズメガの仲間の幼虫に葉を食害されやすく、放置すると丸坊主になる。日頃からよく観察し、害虫は見つけ次第、取り除く。
【ヒメクチナシの品種】
斑入りヒメクチナシ
葉にクリーム色の模様が入る品種。庭木よりも盆栽としての利用が多い。
ヒメクチナシの基本データ
【分類】アカネ科 クチナシ属
常緑広葉/低木
【漢字】姫梔子(ひめくちなし)
【別名】ガーデニア/コクチナシ
【学名】Gardenia jasminoides
var.radicans(Thunberg)
Makino G. radicans
【英名】Small gardenia
【成長】早い
【移植】簡単
【高さ】30~70cm
【用途】花木/鉢植え/グランドカバー
【値段】1500円~