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ネズミモチ/ねずみもち/鼠黐

Japanese privet

ねずみもち,ネズミモチの葉,画像
葉の外見はモチノキよりツバキに近い
ねずみもち,鼠モチ,画像
ネズミモチの葉
Japanese privet
裏面の様子
安上がりの垣根,ねずみもち
値段が安いため生垣に使われることも多いが
Japanese privet tree
寺社や街路に植栽する例もある
ねずみもち,鼠黐の木のツボミ
ネズミモチの蕾
ネズミモチの花,ねずみもち
花の時期(5~6月)には、よく目立つ
flower of Japanese privet
花は両性花で近くで見ると案外、可憐で美しい
ねずみもち,ネズミモチの花
花粉が飛んだ後の様子
ネズミモチの実,画像,ねずみもち
花の後には名前の由来となる実ができ始める
ネズミモチ,黒い実,ねずみもち
晩秋に黒く熟せば、鼠の糞に見える?
ねずみもち,黒い実
ネズミモチの木の実
ねずみモチノキ
繁殖力が高く、そこらじゅうに生える(実生)
ねずみもち,幹
ネズミモチの樹皮

 

【ネズミモチとは】

・関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するモクセイ科の常緑樹。秋にできる果実がネズミの糞に似ていること、葉や木全体の雰囲気がモチノキに似ていることから、ネズミモチと命名された。日本以外では台湾に分布。  

 

 

・暖地の山地に自生するが、丈夫な性質を持つため庭木としても使われる。大きな魅力はないものの、都市部の劣悪な環境にも耐えて育ち、比較的安価に入手できることから、垣根や緑地の「植えつぶし」として多用される。

 

 

・ネズミモチの葉は長さ4~10センチの楕円形で厚みがある。葉先は尖るが縁にギザギザはなく、表面は無毛で皮質の光沢があり、裏面の葉脈がはっきり見えないという特徴を持つ。

 

 

・ネズミモチは枝から対になって生じる「対生」で、互い違いに生じる「互生」のモチノキとは明らかに異なる。あまりお勧めできないが、ネズミモチの葉を噛むと甘味がある。 

 

 

・ネズミモチの漢名は「女貞」。ネズミの糞には結びつかない強そうな名前だが、これは貞節な淑女を意味し、冬になっても葉が青々としており、病害虫によって傷みにくく艶やかなことに由来する。

 

 

・ネズミモチの開花は5~6月で、その年に伸びた枝の先に長さ5~12センチの花序を出し、白い小花を円錐状に密生させる。 

 

 

・花は長さ5~8ミリほどの筒状漏斗型で、先端は四つに裂けて反り返る。二つの雄しべと花柱(雌しべ)は花先から突き出し、クリの花のような精臭がある。花にはチョウやハチよりもアリの姿が目立つ。

 

 

・果実は長さ7~10ミリ程度の楕円形で多数つき、10~12月になると黒紫に熟して表面に白い粉を吹く。熟した果実を日干ししたものを漢方では「女貞子」といい、韓国では「女貞丸」という妙薬が作られている。  

 

 

・ネズミモチの果実を服用し続ければ、滋養強壮やアンチエイジングに効果があるとされる。果実には直径5ミリほどの暗褐色の種子一粒を含むが、食糧が不足していた戦時中には、これを炒ってコーヒーの代用としたという。 

 

 

・幹は直立し、直径は最大30センチほど。樹皮は灰色で平滑だが、樹齢を重ねれば皮目と呼ばれる粒々を生じる。材は緻密で加工しやすいが名前が良くないためか、タマツバキという美名で家具や工芸品に使われる。

 

 

【ネズミモチの育て方のポイント】

・日陰に強く、土質を選ばず、成長も早い。潮風にも強く、海岸沿いの植栽にも使える。

 

 

・病害虫に強い(まれにスス病、うどんこ病)

 

 

・枝分かれが多くて枝葉がよく生い茂るため、目隠しになる。刈り込みにも強いが、頻繁に刈り込まないと、樹形が崩れる。

 

 

・本州から沖縄まで広い範囲に分布するが、寒さにやや弱く、植栽適地は関東以西となる。 

 

 

【ネズミモチの品種や見分け方】 

トウネズミモチ(唐鼠黐) 

 公園などで見かける中国原産の品種。画像のとおり、ネズミモチより葉が大きく、葉を太陽に透かすと葉脈が見えることで簡単に区別できる。ネズミモチは暖地性だが、トウネズミモチは寒さにより強く、日本全国で植栽できる。

 

ネズミモチの見分け方,違い,特徴
左がネズミモチ 右がトウネズミモチ

 

・キマダラネズミモチ  

 葉に模様が入る品種。雰囲気が暗くならないため今風の建物に合わせることもできる。

 

ネズミモチ 種類
葉に模様が入る「キマダラネズミモチ」(虫食いです)

 

・ムニンネズミモチ

 小笠原諸島に固有の種で、潮風を凌ぐためネズミモチよりも葉が厚くなっているのが特徴。花はより小さいが、同じように咲き、同じように実がなる。

 

ネズミモチの種類,ねずみもち
ムニンネズミモチ

 

 

・フクロモチ(フクラモチ) 

 丸みを帯びた葉が著しく密生し、葉の縁が波状に反り返る品種。花も密生しやすく、ネズミモチよりは観賞価値があるとされる。 

 

 このほか、花序や枝に短毛を生じるケネズミモチや、葉が丸くて小枝に短毛のあるイワキなどがある。

 

ネズミモチの品種
フクラモチは丸みを帯びた葉が反り返り、密生する
ふくろもち,樹木
フクラモチの果実(未熟)

 

 

【ネズミモチに似た木】

トウネズミモチ

 

 

イボタノキ

 

 

オオバイボタ

 

 

ヤブツバキ

 

ネズミモチの基本データ

 

【分類】モクセイ科/イボタノキ属

    常緑広葉/小高木~高木

【漢字】鼠黐(ねずみもち)     

【別名】タマツバキ/テラツバキ

    ヤブツバキ

【学名】Ligustrum japonicum

【英名】Japanese privet

【成長】早い

【移植】簡単

【高さ】2m~6m

【用途】垣根/公園/工場/防風

【値段】300円~

 

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