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ゲッキツ/げっきつ/月橘
Silk jasmine
【ゲッキツとは】
・奄美大島以南の九州、沖縄、中国南部~台湾、インド、オーストラリアを原産とするミカン科の常緑樹。石灰岩地に生える丈夫な性質を持ち、枝葉がよく茂ることから、熱帯地方では垣根に使い、それ以外の地域では観葉植物として流通する。
・ゲッキツという名は漢名「月橘」の音読みに由来する。同じミカン科のタチバナも花に芳香があるが、本種の花も香りが高く、別名をオレンジジャスミンという。
・自生地での開花は夏(7~8月)で、枝先や葉の脇から伸びた花柄に、直径2センチほどの白い五弁花が数輪ずつ咲く。
・漢名の「月橘」は、月夜にタチバナに似た香りの花を咲かせることにより、中国では古くから「十里香」あるいは「七里香」と称される。
・ゲッキツの葉は長さ2~7センチの小葉が2~3対集まり、長さ8~15センチの羽根状になる。小葉は菱形~長楕円形で革質。表面には光沢があり、原産地以外では観葉植物として扱われることが多い。
・樹皮は灰色で材は硬く、稀に器具材等に使われる。
・花の後にできる果実は卵形で、秋に赤く熟す。直径は1センチほどで、中に1~2粒の種子がある。
【ゲッキツの育て方のポイント】
・丈夫な性質を持ち、土質を選ばずに育つ。
・強い日差しを好み、日当たりが悪いと花付きが悪い。
・熱帯性であり乾燥に強いが、耐寒性は低い。気温が5℃を下回ると枯れるため、原産地以外では室内で管理する。
・葉が密生して鬱蒼としやすいが、剪定に耐えるため、手入れによって管理できる。葉を密生させるとアブラムシやカイガラムシの被害に遭うことがある。
ゲッキツの基本データ
【分類】ミカン科/ゲッキツ属
常緑広葉/低木
【学名】Murraya paniculata
【別名】オレンジジャスミン
シルクジャスミン
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】3~8m
【用途】垣根/観葉植物
【値段】1,000円~