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ケラマツツジ/けらまつつじ/慶良間躑躅
Kerama-tsutsuji(Azalea)
【ケラマツツジとは】
・沖縄及び奄美大島に分布するツツジ科の常緑低木。かつては渓流沿いの岩場や山地の林縁で普通に見られたが、江戸時代以降、園芸を目とする乱獲が進み、天然の個体数は激減している。
・ケラマツツジという名前は、慶良間諸島(沖縄)で発見されたことによるが、原産地では「サクラ花」を意味するサツクワンバナ、「十六日花」を意味するジュルクニチバナと呼ばれることも多い。
・「十六日花」は旧暦の1月16日に死者を弔うため本種を供えるという、渡嘉敷の風習に由来する。
・ケラマツツジの葉は長さ3~12センチの長楕円形で両端が尖り、枝から互い違いに生じる。厚い紙質で表面は光沢があり、裏面は淡い緑色。若い枝には褐色の毛を生じる。
・ケラマツツジの開花は2~5月。朱色を帯びた鮮やかな大輪の花が1~4輪ずつ枝先に集まって咲く。花は漏斗型で直径5~8センチほど。花先は五つに裂けて上部の裂片には濃い紅色の斑点模様が入る。
・花冠の内側には雌しべ1本と雄しべ10本がある。雌しべの基部となる子房は毛が密生し、雄しべは花冠より短いのが本種の特徴。また、花の付け根には小さな楕円形の萼が5枚あり、画像のように腺毛を生じる。花の後には卵形をした乾いた果実ができる。
・若木の幹は緑色だが、樹齢を重ねると灰褐色になり、樹皮がまだらに剥離する。ツツジとしては大型で枝分かれが多く、普通は株立ち状に育つ。
【ケラマツツジの育て方のポイント】
・乾燥した岩場にも自生するような強い性質を持つが、亜熱帯性であり、寒冷地では地植えできない。原産地以外では温室で育てる。
・日向を好み、日陰では花付きが悪くなる。
【ケラマツツジの品種】
・トウツツジ(タウツツジ)
ケラマツツジのうち、葉の幅が狭いものを特に区別してトウツツジと呼ぶことがあるものの、厳密に分類されるものではない。
【ケラマツツジに似た木】
・サキシマツツジ(先島躑躅)
久米島、石垣島、西表島に分布する近縁種。花はケラマツツジよりもやや小さく、色合いは淡い。
・タイワンヤマツツジ
沖縄、屋久島、奄美大島、台湾及び中国南部に分布する近縁種。葉や葉柄に剛毛があり、雄しべが9~10本ある。
九州南部、屋久島、吐噶喇列島に分布する近縁種。夏の葉が丸く、淡い紫やピンク色の花を咲かせる。
ケラマツツジの基本データ
【分類】ツツジ科/ツツジ属
常緑広葉/低木
【漢字】慶良間躑躅(けらまつつじ)
【別名】サツクワンバナ
カザンジマ(華山島)
ジュルクニチバナ(十六日花)
ショウジョウ(猩々)
【学名】Rhododendron scabrum
【成長】早い
【移植】やや難しい
【高さ】1m~3m
【用途】公園/温室/鉢植え
【値段】800円~