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ギンバイカ/ぎんばいか/銀梅花
Myrtle
【ギンバイカとは】
・地中海沿岸及びヨーロッパ南西部を原産とする常緑低木。5月から7月にかけて咲く白い花が梅に似ているとして、日本では「銀梅花」と呼ばれる。
・ヨーロッパでは愛の女神に捧げる神聖な植物とされ、結婚式の花輪など祝事に使われる。別名は「銀香木」「祝いの木」など。
・花は直径2センチほどの五弁花で葉の付け根付近に咲き、多数ある雄しべは花弁の外側へ突き出す。
・ギンバイカの花言葉は「愛のささやき」で、ヨーロッパでは「ヴィーナスが愛した花」として広く普及しており、結婚式の装飾に多用される。
・秋にできるギンバイカの果実は直径6ミリほどの球形。熟すと青黒くなって粉を吹くが、白く熟すロイコカルパという品種もある。
・ギンバイカの果実はブルーベリーに似ており生食もできるが、独特の苦味があるため、乾燥させたものをスパイス等として使うのが一般的。
・ギンバイカの葉は長さ2.5~5センチの卵形で革質。枝から対になって密生する。ハーブガーデンにしばし使われるのは、花はもとより葉にも芳香があるため。
・葉から抽出したオイルは婦人病の特効薬とされるなど、薬草としての価値もある。
【ギンバイカの育て方】
・基本的には暖地性であり、植栽の適地は関東以西となる。寒さにやや弱いため日本ではあまり植栽されていなかったが、近年は生垣として使われるようになってきた。
・土質は問わないが、日当たりと排水がよく、かつ強風の当たらない場所に植えるのがよい。
・自然樹形を鑑賞するのが基本ではあるものの、枝葉がよく茂るわりに幹の成長が遅いため、風当たりの強い場所では枝や幹が折れやすくなる。このため、花が終わったころに小さく抑えるように剪定するのが一般的になっている。秋から翌春にかけて大きく刈り込むと花は咲かない。
【ギンバイカの品種】
・ヒメギンバイカ
枝葉がより小さく、節間が狭いため密生し、樹高は低く収まる。流通上の品種名にはイタリカ、タレンチナなど。
・斑入りギンバイカ
葉の縁などにクリーム色の模様が入る品種。原種よりもあかるい雰囲気があり、庭木として使いやすい。「バリエガータ」とも呼ばれる。
ギンバイカの基本データ
【分類】フトモモ科 ギンバイカ属
常緑広葉 低木
【漢字】銀梅花(ぎんばいか)
【別名】マートル/イワイノキ
ギンコウボク
【学名】Myrtus communis
【英名】Myrtle
【成長】やや遅い(日本では)
【移植】簡単(大株は難しい)
【高さ】2~3m
【用途】ハーブガーデン/コンテナ
【値段】1500円~