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キョウチクトウ/きょうちくとう/夾竹桃

Sweet-scented Oleander/Indian Oleander

毒
花言葉は「危険」など 公害に強く都市部に多い
夾竹桃の蕾,きょうちくとう
キョウチクトウの蕾
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ピンクの八重咲きが最も多いが
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ピンクの一重や・・・・
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白い花 
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赤い花もある
夾竹桃の花
シベは分かりづらい
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新芽の様子
leaf of Oleander in Japan
葉は竹に似るが厚くて光沢がある
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葉に模様が入る品種(フイリキョウチクトウ) 
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大株となるため、剪定が欠かせない
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キョウチクトウの幹

 

【キョウチクトウとは】

・インド~中近東を原産地とするキョウチクトウ科の常緑樹。夾竹桃が日本へ渡来したのは、享保年間(1716~36)あるいは寛政年間(1789~1801)で、中国経由とされる。

 

 

・キョウチクトウは挿し木で容易に増えるため園芸用に普及し、関東地方以西の暖地で数多く植栽される。開花は夏季で、サルスベリノウゼンカズラムクゲなどと共に夏を代表する花木として知られる。

 

 

・乾燥、大気汚染、潮風に耐える強靭な性質を持ち、病害虫の被害も少ないため、公園や庭園のみならず、海岸や幹線道路沿い、工場、高速道路の分離帯など条件の厳しい場所の緑化に重宝される。広島や長崎では原爆の被爆後も開花し続け、復興のシンボルとなった。 

 

 

・キョウチクトウという名は漢名「夾竹桃」の音読みで、葉や樹形が竹に、花色が桃に似ていることによる。「夾」は挟むの意で、竹のような葉が桃のような花を挟んでいる様子、あるいは葉がハサミ(挟)の刃に似ていること表す。

 

 

・キョウチクトウの開花は梅雨時を除いた6~10月。その年に伸びた枝の先に、直径2~5センチの小花が数輪~10数輪が集まって咲く。花色はピンク、白、赤、クリーム色、紫、オレンジなどのバリエーションがある。

 

 

・基本種はピンク色の一重咲きで、五つに裂けて捩れたプロペラ状(卍形)の花冠が重なるように生じるが、栽培品では八重咲きが最も多い。花の下部は筒状になり、糸くずのような附属物がある。日本での開花は夏季だが、原産地ではほぼ一年中咲いて微香を放つ。  

 

 

・花の後には長さ1~1.5センチの線形の果実ができ、熟すと自然に弾ける。種子の両端には淡い褐色の長い毛があり、風によって拡散される。ただし、結実は稀であり、繁殖は挿し木や取り木によることが多い。

 

 

・キョウチクトウの葉は長さ6~20センチ、幅0.6~2センチの細長い楕円形で先端は鋭く尖る。質は厚くて表面に光沢があり、縁にギザギザはない。葉の出方は「3輪生」と呼ばれる特殊なもので、枝の一節から3枚ずつ生じる。 

 

 

・枝、花、葉に毒(オレアンドリン等の強心配糖体)を含み、誤食すると頭痛、嘔吐、下痢、意識障害、幻覚、心臓麻痺を起こし、死に至ることもあるため、家畜のそばには植栽しない方がよい。バーベキューや戦時下の野営において本種の枝を箸や串として使い、死亡事故につながった例がある。  

 

 

・幹は地際から数本が立ち上がって株立ち状になり、上部での枝分かれが多い。樹皮と根は強心剤として薬用することもあったが、上述のとおり毒性があるため素人が手を出すのは危ない。幹や枝を切ると白い液が出てくるが、これに毒性があるため注意する必要がある。

 

 

【キョウチクトウの育て方のポイント】

・痩せ地でも育てることができるが、日照は不可欠であり、日陰では枝が間延びし、花が咲きにくくなる。学名にある「Nerium」はギリシャ語の「湿った」に由来し、近縁のセイヨウキョウチクトウが湿地に生じることによるが、本種はやや乾燥気味の場所を好む。

 

 

・どこで切っても再生し、雑に剪定しても滅多に枯れないほど丈夫な性質を持つ。ただし、上へ伸びて株が大きくなる勢いが強く、樹形は整えにくい。開花の適期は10月だが、強い剪定を行うと翌年の花数は少なくなる。

 

 

・熱帯原産であるため、日本での植栽適地は関東以南となる。耐寒性はやや低く、積雪の多い寒冷地では屋外で越冬できない。また、暖地では花期が長いが、寒冷地での開花期間は短いことが多い。 

 

 

・風通しが悪い場所では稀にオレンジ色のアブラムシやカイガラムシが発生する。

 

 

・剪定クズにも毒が含まれ、生木を燃やした煙も有害であるため、ゴミとして引き取ってもらえないケースがある。

 

 

【キョウチクトウの品種】

 アルジェ、アルヴァ、カーディナル、スプレンデンス、ダブルイエロー、チェリルズ、ミセススワンソン、ミセスロディング、ベチートサーモン、サプライズ、ブライトゴールデンイエロー、バリエガタムなど50種類以上ある。

 

 

【キョウチクトウに似た草木】

・ミフクラギ 

 沖縄、中国南部、東南アジアの各地に分布するキョウチクトウの仲間。キョウチクトウと同様、全草に有毒物質を含み、汁液に触れると皮膚がかぶれて「身が膨らむ」ためミフクラギと名付けられた。マンゴーに似た果実ができるが、これも有毒であり誤食による事故が多い。別名はオキナワキョウチクトウ。 

 

沖縄きょうちくとう
ミフクラギの花

 

クサキョウチクトウ 

 ハナシノブ科の多年草で、花や葉の様子がキョウチクトウに似る。別名をフロックスまたはオイランソウという。

 

草きょうちくとう
クサキョウチクトウ

 

・キバナキョウチクトウ 

 単に花が黄色いキョウチクトウというわけではなく、中南米を原産とする別属(キバナキョウチクトウ属)の常緑小高木。 

 

黄色い花の夾竹桃
キバナキョウチクトウ

キョウチクトウの基本データ

 

【分類】キョウチクトウ科

    キョウチクトウ属

    常緑広葉/低木

【漢字】夾竹桃(きょうちくとう) 

【別名】ミフクラギ/半年紅

【学名】Nerium oleander

    var.indicum

【英名】Sweet-scented Oleander

    Indian Oleander

【成長】かなり早い

【移植】やや困難

【高さ】1m~5m

【用途】公園/街路樹/工場

【値段】1000円~

 

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