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キソケイ/きそけい/黄素馨
Yellow Jasmine
【キソケイとは】
・ヒマラヤ地方を原産とするモクセイ科の常緑樹。オウバイの仲間で明治時代の始めに日本へ渡来した。初夏に咲く黄色い花を観賞するため、庭木として植栽されるほか、生け花の花材にも使われる。
・「素馨」はジャスミンの中国名で美女の名に由来し、「ソケイ」はその音読み。黄色い花が咲くソケイ、あるいはソケイに比べて枝葉がしっかりした「木」であることから、キソケイと名付けられた。
・キソケイの開花は新葉が展開し終えた5~7月。枝先に直径3センチ弱、長さ2センチ前後の花が、8~20輪ずつ垂れ下がり、新葉のとのコントラストが美しい。
・漏斗型の花は先端が五つに裂けて平らに開き、基部は筒状になる。雄しべ2本、雌しべ1本で雄しべは花筒の内側に合着し花冠よりも少し突き出るが、雌しべはより短い。黄花種と白花種(オキナワキソケ)があるが、黄花種は寒さに強く、八重咲きになる品種もある。
・近縁種のジャスミン(ソケイ)は、その香りでお馴染みだが、本種の花はほとんど薫らない。
・葉は1~3対の小葉からなる羽根状(奇数羽状複葉)で、枝から互い違いに生じる。小葉は長さ2~5センチ、幅1~2.5センチの楕円形。縁にギザギザはなく先端は尖る。
・枝は鮮やかな緑色で無毛。断面は方形に近く、よく分岐して繁茂し、蔓状に垂れ下がる。
【キソケイの育て方のポイント】
・寒さに強いとされるが、冬の寒風は苦手とする。植栽の北限は福島県あたり。
・日当たりのよい場所を好むが、半日陰でも育てられる。
・水はけの良い場所を好むが、土壌は選ばない。
・弓状の枝葉が放射状に伸びるため、狭い場所では定期的な剪定が必要。芽を出す力が強く、刈り込みには強い。ただし、株が大きくなると樹形はまとめにくい。剪定の適期は花の直後。
・株分けや挿し木で増やすことができる。
【キソケイに似た木】
インド原産の落葉低木で、白い花を咲かせる。香油「ジャスミン」を採取することで知られ、中国を経て日本へ渡来したが、寒さに弱く、日本の屋外で越冬させるのは難しい。
・オウバイ
中国北部を原産とする落葉低木。同じように黄色い花が咲くが、花期が3~4月であること、花冠が6つに裂けること(花弁が6枚のように見える)、冬季に葉を落とす落葉性であることが異なる。
・オウバイモドキ(ウンナンオウバイ/ウンナンソケイ)
ヒマラヤ地方や中国雲南省を原産とする常緑低木。開花は2~4月で花冠は6~10裂する。葉は小型で花も直径1センチ強と小さい。
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キソケイの基本データ
【分類】モクセイ科/ソケイ属
常緑広葉/低木
【漢字】黄素馨(きそけい)
【別名】ヒマラヤジャスミン
イエロージャスミン
ツルマツリ
【学名】Jasminum humile
var.revolutum
【英名】Yellow Jasmine
【成長】やや早い
【移植】簡単
【高さ】1~3m
【用途】公園/花木/切花
【値段】800円~