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カンツバキ/かんつばき/寒椿
Kantsubaki(Winter flowering Camellia)
【カンツバキとは】
・ツバキ科ツバキ属の常緑小高木で、サザンカとツバキの交雑種(異論もあり)のうち、背丈が高くなりにくく、八重咲きあるいは半八重咲きになる品種群の総称。サザンカと混同されやすく、一般的にサザンカという場合にカンツバキを指すことも多い。
・カンツバキの代表的な品種は「獅子頭」「勘次郎」であり、関西では古来、カンツバキをシシガシラと呼ぶことが多かった。また、樹高によってハイカンツバキ(這寒椿)とタチカンツバキ(立寒椿)に大別することがあり、前者は植え込みに、後者は公園や緑地の生垣に使われる。
・ただしこうした区分けには諸説あり、カンツバキ=獅子頭とその派
生種、タチカンツバキ=勘次郎という考え方も普及している。
・カンツバキの開花は12月~3月。花弁は紅色、ピンク、白などでその先端は浅く裂け、縁は波打つようになる。花弁は10枚以上あるが、外側へいくほど小さくなる。花の直径は7~9センチほど。
・花の中心にある雌しべは先端が三つに裂け、それを囲む雄しべはサザンカよりも少ないが太く、淡い黄色をした葯は大型で形が乱れやすい。
・カンツバキの花が落ちる様子はサザンカと同様。花が丸ごと落ちるツバキとは異なり、花弁がバラバラになる。
・葉は長さ3~6センチの長楕円形で、大きさや形はサザンカに近い。先端が尖って縁には鋭いギザギザ(鋸歯)が規則的に並び、鋸歯の部分だけが外側に曲がる。
・枝や葉の裏面(葉脈付近)、葉柄には粗い毛がまばらにあるが、サザンカに比べれば少ない。
・カンツバキの果実は球形で表面の果皮に白毛があり、熟すと自然に三つに裂けて褐色の種子が姿を現す。ただし、カンツバキの中には雄しべや雌しべが花弁化し、実のなりにくい品種もある。
・樹皮は褐色で凹凸はない。主幹は直立するがタチカンツバキであってもヤブツバキに比べれば樹高はさほど大きくならない。
・枝が横に伸びる性質があること、枝分かれが多くて葉が密生し、自然に形が整いやすことから、一般家庭の庭木としても広く使われている。
【カンツバキの育て方のポイント】
・大気汚染に強いため、道路沿いの緑化に使うことができる。
・日向を好むが、半日陰でも育てられる。
・芽を出す力が強く、剪定によく耐える。
・西日や冬の寒風には弱い。
・ツバキやサザンカ同様、チャドクガの被害に遭いやすい。葉の観察と定期的な所毒蛾必要になることも。
【カンツバキの園芸品種】
花の色別に品種の一例
紅/ピンク花の品種
白い花の品種
カンツバキの基本データ
【分類】ツバキ科/ツバキ属
常緑広葉/低木
【漢字】寒椿(カンツバキ)
【別名】シシガシラ/ヒラカン
【学名】Camellia × hiemalis
【英名】Kantsubaki
【成長】普通
【移植】簡単
【高さ】1m~2m
【用途】垣根/公園/花木/街路樹
【値段】1000円~