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カクレミノ/かくれみの/隠蓑
Kakure-mino tree
【カクレミノとは】
・関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するウコギ科の常緑樹。海に近い照葉樹林内に自生するが、ヤツデやアオキとともに日陰に強い植木の代表であり、和風庭園(特に茶庭の露地)や飲食店の軒先、玄関などに多用される。
・葉の形が、狂言「節分」に登場する伝説上の「隠れ蓑」(着ると姿を消すことができる「透明マント」のような代物)に似ていること、あるいは葉の大きなカクレミノの木自体が、目隠し用になることからから命名された。
・葉は枝から互い違いに生じて先端が尖り、基部はクサビ形になる。幼木のうちは3つ~5つに裂けるが、成木では長楕円形になるのが普通。ただし突然変異も多く、画像のように多様。
・葉の寿命は1~2年で、古くなると黄色くなって落ちる。平安時代の法令集である延喜式にはカクレミノの葉を酒盛りの盃に使うとの記載がある。
・カクレミノの開花は6~8月で、黄緑色またはクリーム色の小さな五弁花が15~40個、球状に集まって咲く。雌雄同株であり、両性花のみの花序(花の集り)と、雄花の混じる花序がある。
・両性花の後には直径1センチほどの実ができ、10~11月にかけて黒く熟す。野鳥に人気とはいえず、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリなどが稀にやって来る。
【カクレミノの育て方のポイント】
・日陰に強い。(ただし、最適地は半日陰)
・軒下など夜露のあたらないところでも栽培できる。
・日向では半球状に育つのが基本。剪定に強く、形をまとめやすいため、比較的狭い場所でも育てることができる。むしろ、剪定せずに放任すると樹形が頭でっかちになりやすい。
・病害虫、風に強い。
・寒さに弱く、北海道や東北地方では育たない。
【カクレミノに似ている木、園芸品種など】
・葉が卵型になる成木を「マルミツデ」と呼んで区別することがあるが、同一品種である。蓑に似た葉を持つ若木より価値が劣るとされ、和風庭園で使われることは少ない。
カクレミノの基本データ
【分類】ウコギ科/カクレミノ属
常緑広葉/小高木
【漢字】隠蓑(かくれみの)
【別名】ミツデ/ミツナガシワ
カラミツデ/ウリノキ
ミツデガシワ/ミソブタ
【学名】Dendropanax trifidus
【英名】Kakure-mino
【成長】ふつう
【移植】簡単
【高さ】2m~8m
【用途】垣根/和風/公園
【値段】500円~
この木のレビュー(思い出話や豆知識をお気軽にどうぞ)
管理人 (水曜日, 28 2月 2018 20:27)
コメントありがとうございます。
野生のカクレミノの葉っぱは千差万別ですので、蓑の形だけをイメージしていると特に山の中では見分けにくいですよね。それが本当の意味での隠れ蓑かもしれません。ヒイラギなども古くなってくると葉にトゲトゲがなくなるので、分かりづらくなります。
伊豆の人 (水曜日, 28 2月 2018 13:04)
伊豆の山に登った時、友達が「隠れ蓑」と言う木だよ。と教えてくれました。このペ-ジジで特徴がわかりました。歩きながら
「葉っぱの形が違うね」と言いながら見ましたが成長すると楕円形になるなど興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。葉っぱは青々として綺麗でした。(2018年1月)
anpanman (水曜日, 29 11月 2017 12:21)
wakariyasukatta