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トモエソウ/ともえそう/巴草
Tomoe-sou(Great St. Johnswort)
【トモエソウとは】
・日本各地に分布するオトギリソウ科の多年草。夏から秋にかけて咲く花が、家紋のデザインなどに使われる「巴」型になるため、トモエソウと名付けられた。日当たりの良い草原や湿地に分布するが、個体数は減っており、絶滅が危惧される地域もある。
・花は直径5センチほどで、同じオトギリソウ科の樹木である、ビヨウヤナギに似る。朝日を浴びて開花し、夕方には閉じる、いわゆる一日花で、5枚ある花弁は全て同じ方向に捻じれる。多数の雄しべは5束に分かれ、雌しべも先端が5つに分かれる。
・茎は根元が褐色で上部は緑色になり、その断面は四角に近い。葉には柄がなく、茎から対になって生じ、上から見ると十文字に見える。草丈はオトギリソウの仲間としては大きく、条件が良ければ1mを超える。
・民間療法においては、切り傷や打撲の妙薬とされ、乾燥させたトモエソウを粉末にしたものや、生の葉のしぼり汁、あるいは薬用酒にしたものを患部に塗るなどして用いた。生薬名は紅旱蓮(こうかんれん)
・トモエソウは中国や朝鮮半島にも分布する。漢名は連翹あるいは大連翹だが、日本ではレンギョウを表す。黄色い花が咲く点は同じだが、全く別の植物であり、誤って伝わったとされる。別名クサビヨウは花が似るビヨウヤナギに由来すると思われる。
【トモエソウの品種】
・オオトモエソウ
西日本に分布する品種で、直径6~9センチの花を咲かせる。
・ヒメトモエソウ
北海道や尾瀬に見られる品種で、花の直径は4センチほど。
トモエソウの基本データ
【分 類】オトギリソウ科/オトギリソウ属
多年草
【漢 字】巴草(ともえそう)
【別 名】クサビヨウ(草未央)
【学 名】Hypericum ascyron
【英 名】Tomoe-sou(Great St. Johnswort)
【開花期】7~8月
【花の色】黄色
【草 丈】~90cm