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ツリフネソウ/つりふねそう/釣船草

Touch-me-not

釣船草
水辺に咲く一年草で夏に紫の花が咲く
釣船草,植物
蕾の様子
つりふねそう
少しずつ特徴的な花が現れる
釣船草,開花
咲き始めの花の様子
吊舟草
ツリフネソウの開花は8~10月
青紫色の花が咲く 季節
花言葉は「私に触れないでください」など
釣船草,花
花は虫を誘引する複雑な構造
むらさきつりふね
花の後方は内側に巻き、この中に蜜が入っている
吊船草
花の終わりの様子
ツリフネソウの葉っぱ
花がない時季は目立たないが、背丈は大きめ
つりふねそうの実
これが花言葉の由来となる果実
釣船草の葉っぱ
若葉は淡い緑色で葉脈が目立つ
hardy impatiens
ツリフネソウの葉
つりふねそう,葉っぱ
葉には羽根状の脈がある
吊舟草,特徴
茎は柔らかく節が膨らむ。台風などの強風で倒れやすい

 

【ツリフネソウとは】

・北海道~九州に分布するツリフネソウ科の一年草で、山麓の湿地や小川の縁に自生する。花の様子が、吊り下げられた帆掛け船に似ているとしてツリフネソウ(吊舟草/釣船草)と名付けられた。黄色の花が咲くキツリフネに対し、本種を特にムラサキツリフネという場合もある。日本以外でも朝鮮半島や中国に分布。

 

・ツリフネソウの仲間は世界に400種類ほどが知られ、日本には3種類が自生する。園芸植物として身近なホウセンカやインパチェンス(アフリカホウセンカ)もこの仲間。

 

・茎は柔らかでやや赤みを帯び、断面が円く、節々は膨らんで枝分かれが多い。葉は長さ6~15センチ、幅3~7センチの菱形に近い卵形で縁にギザギザがあり、茎から互い違いに生じる。草全体に毒性のヘリナル酸を含み、苦味が強くて食用にならず、誤って食べれば嘔吐、下痢、胃腸炎を引き起こす。

 

・ツリフネソウの開花は8~10月。花は長さ3~4センチほどの紅紫で数輪ずつぶら下がる。花は見る方向によって印象が変わり、形が分かりにくいが、3個の花弁に加え、同じような色の萼が3個ある。雄しべは5本が合わさって一つになり、その陰に雌しべがある。花柄には赤い毛が密生。

 

・萼のうち一つは大きな袋状で後方にある「距(きょ)」はクルリと巻いていて、中にたくさんの蜜が白い筋状になって付着している。花にはマルハナバチ、ハナアブ、甲虫などががやってくるが、受粉を媒介するのはマルハナバチで、長い舌を使って蜜を吸ううちに、上方にある雄しべと雌しべに触れる。上記のとおり毒性があるため、人間が蜜を吸うのは危険。

 

・花言葉は「私に触らないでください」などだが、熟した果実は長さ1~2センチで薄い果皮があり、ホウセンカと同じように、指で触れると中から種が飛び出して最大3mも飛んでいく。ツリフネソウは一年草だが、こうした性質が奏功して、どんどん増える。学名にあるインパチェンスは「忍耐不足」の意味。

 

【ツリフネソウの品種】

・シロバナツリフネソウ

 北海道~九州に分布する品種で、文字どおり白い花が咲く。ツリフネソウと同じような湿った場所で稀に見られる。シロバナツリフネともいう。

花が白い釣舟草
シロバナツリフネソウ

 

・ゲンペイツリフネソウ 

 花がピンクと白の二色になる品種。原産はヒマラヤで、日本のものよりも花付きがよい上に栽培が容易であるため園芸用に普及する。別名はハナツリフネ。

釣船草の花,種類,つりふねそう
花が二色になる「源平ツリフネソウ」

 

キツリフネ

 黄色い花を咲かせる品種で背丈が高くなる。より標高の高い高原の湿原などに自生する。花の「距」は丸くならない。

 

・ハガクレツリフネ

 名前のとおり葉に隠れるように淡い紫色の花が咲く。

 

【ツリフネソウに似た花】

・アフリカホウセンカ 

 アフリカを原産とする近縁種。花期が長いこと、花の種類が豊富なこと、花粉管の伸びが観察しやすいことから学校や公園の花壇に多用されるが、種子に毒性がある。

ツリフネソウの基本データ

 

【分 類】ツリフネソウ科

     ツリフネソウ属

     一年草

【漢 字】釣船草/吊舟草

     (つりふねそう)

【別 名】ムラサキツリフネ

【学 名】Impatiens textori

【英 名】Touch-me-not

     Jewelweed/Snapweed

【開花期】8~10月

【花の色】紅紫色

【草 丈】~80cm

 

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